普通に生きることとは ページ25
.
どこに面談室があるかわからず、廊下を呆然と歩いていた。
木造の学校で歩くたびに無駄に足音が響く。
たぶん、こっちだろうと、なんとなくで歩いていると
七海「Aさん。どうされました?」
『あ、七海』
と、七海がたまたま反対側から歩いてきた。
『五条に呼ばれたんだけど…面談室ってどこ?』
七海「ここの階の、一番奥です。
今貴方が向いている方向とは逆になります。
つまり遠ざかっています。」
『…』
回りくどくて嫌味な言い方だ。
『わかった。』
七海「迷われて五条さんが不機嫌にもなられたら、
こちらとしても困るので案内します。」
『……どうも、ご親切に』
一言余計なんだよな。
なければ、良いやつそうなんだけど。
私は2、3歩後ろを歩いた。
七海は無言だった。
だから、背中を見ていた。
五条よりも背は少し低いものの、七海の背中は広い。
きっと強いんだろうな。
すると、七海が口を開いた。
七海「Aさん、」
『…』
七海「貴方は五条悟を憎んではいないのですか?」
『…』
七海「死ぬときは人間と同等の苦しみを味わうと言っていましたので、五条さんは貴方に何回も地獄のような苦しみを与えてきたはずです。
それにあの人はクズです。貴方を面白半分で殺していたとしてもおかしくありません。…それでも憎まず、恨まないと?」
『…はぁ……今更、恨まないよ。』
七海は立ち止まり、振り返った。
七海「なぜですか?」
上から私を見下ろしていた。
『……五条悟を恨んで解決するならいくらでも恨むよ。』
七海「…」
『………そりゃあ、五条に見つかって殺されるときはいつも苦しかったし、悲しかった。だけどいつか私が生き返らないようにしてくれるんじゃないかなって、期待してる。人類最強って言われてるじゃん?あの男は。』
七海「生き返りたくないのですか?」
『そろそろ生まれ変わりたい。
できることなら現代の普通の人間になりたい。
普通に生きて、死にたい。』
普通に家族がいて、学校に行って、ご飯を食べて、
友達とたくさん遊んで、好きな人を作って、
最愛の人と結婚して、家族を作って、、、、
そして歳を老いて死ぬ人生がいい。
七海「そうですか。
その願いが叶えばいいですね。」
『そこまで聞いておいて、七海は協力してくれないの?』
七海「……それは考えておきます」
そう言い、また七海は歩き始めた。
3254人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ツバメ - マキと彼女の手合わせ時乙骨達以外にもし甚爾が高専の講師やってこれを観てたら乙骨は兎も角マキの様に手加減されてるのに気づくだろうし訳ありの呪霊程度にも気付くかもしれないですね! 甚爾出演無理ですかね? (2022年2月17日 18時) (レス) @page30 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - みくさん» ありがとうございます。ご期待に答えれるよう努めていきますので、これからもよろしくおねがいします (2022年2月12日 0時) (レス) @page33 id: 62510eceb8 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 意味で占ツクで見てきた中でいっちゃんドストライクです。更新待ってます❤️ (2022年2月11日 21時) (レス) @page31 id: e565c66f21 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - Umiさん» 最高のお言葉をありがとうございます (2022年2月11日 8時) (レス) id: 62510eceb8 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - nanaさん» ありがとうございます!夢主かっこいいですよね。これからもっとかっこよくなるのでお楽しみに (2022年2月11日 8時) (レス) @page30 id: 62510eceb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:0000 | 作成日時:2022年1月31日 21時