守るべきもの ページ21
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乙骨憂太
『乙骨。泣くな。』
何故だろう。
何故こんなに、悲しいんだろう。
里香ちゃんと一緒だ。
彼女はずっと永遠に一人だ。
そして、何千回も何万回も死の苦しみを味わっている。
乙骨「……」
『今現在、私を何度も簡単に殺してくる相手はあの五条悟しかいない。だから、奴の条件を飲んでいる状況だ。』
乙骨「条件?」
『……殺さない代わりに言うことを聞く、それだけ』
乙骨「…」
五条先生は悪い人じゃない。
もしかしたら、五条先生は途中で気づいたのかもしれない。
Aさんがただの呪霊じゃないということに。
乙骨「五条先生は、信頼しても良いと思うよ。」
『…』
乙骨「きっと、大丈夫だよ。」
僕がそういうと、Aさんは『笑いながら涙を流すな。』と、僕の頬を拭ってくれた。
すると、
【【ごぉ、、ごめ、んなさい、、】】
【【リカを“、嫌いにならない”でぇ】】
乙骨「!!」
僕にではなく、Aさんに謝り始めた。
こんなことは、初めてだった。
『ううん。
昨日は驚かせてごめんね、里香ちゃん。
嫌いにならない。
だから里香ちゃんも私を嫌いならないで』
【な“ら…ないよ”】
そういうと、
里香ちゃんは大きな体でAさんを優しく抱きしめた。
そしてスルスルと消えていった。
乙骨「里香ちゃんが謝ったのは、僕以外で初めてだよ。」
『……へぇ』
乙骨「里香ちゃん、僕以外にも謝るのか……」
『嫉妬?
…最近の呪術師は束縛が激しい奴が多い』
一瞬なんのことかわからなかったけど、
昨日の五条先生が「妬いちゃう」って言った意味は
そういうことだったのかもしれない。
呪力が強いから束縛心が激しいのか、
束縛心が強いから呪力が強いのか、
乙骨「僕も、五条先生もたぶん束縛強めだと思う」
そういうと、
『そうかもしれない』
と、Aさんは、笑った。
『でもまぁ、あの馬鹿にある意味束縛されてるけど
今が生きてるなかで1番、生きてるって実感してる。
…乙骨、私はもう人間じゃない。
だから、かわいそうだと思わなくていい。
でも、お前の涙は少し嬉しかった。』
僕に見せた二度目の笑顔。
それは昨日の笑顔とは違う、
『ありがとう、乙骨。』
一人の女の子の笑顔だった。
だから、Aさんのことを死ぬ気で守ろうと、
そう誓ったんだ。
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ツバメ - マキと彼女の手合わせ時乙骨達以外にもし甚爾が高専の講師やってこれを観てたら乙骨は兎も角マキの様に手加減されてるのに気づくだろうし訳ありの呪霊程度にも気付くかもしれないですね! 甚爾出演無理ですかね? (2022年2月17日 18時) (レス) @page30 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - みくさん» ありがとうございます。ご期待に答えれるよう努めていきますので、これからもよろしくおねがいします (2022年2月12日 0時) (レス) @page33 id: 62510eceb8 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 意味で占ツクで見てきた中でいっちゃんドストライクです。更新待ってます❤️ (2022年2月11日 21時) (レス) @page31 id: e565c66f21 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - Umiさん» 最高のお言葉をありがとうございます (2022年2月11日 8時) (レス) id: 62510eceb8 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - nanaさん» ありがとうございます!夢主かっこいいですよね。これからもっとかっこよくなるのでお楽しみに (2022年2月11日 8時) (レス) @page30 id: 62510eceb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:0000 | 作成日時:2022年1月31日 21時