法定速度は守りましょう ページ16
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次の日の朝。
腕の痛みはほとんどなかった。
包帯をほどいてみると、傷跡だけが残っていて、
あの不気味な色の跡は消え去っていた。
『(……やっぱり呪われてたんだな)』
と、実感した。
五条「腕出して」
すると五条が新しい包帯を持ってきた。
『いいよ、自分でするから』
五条「…」
無言でじっと見てくる。
…わかったよ、腕を差し出したらいいんでしょ?
私が意地を張ってもいいことなんて1つもない。
だから、大人しく腕を出した。
五条「物わかりがよくなってきたねぇ♪」
五条は目に見えてわかるぐらい上機嫌になった。
思っていたよりもずっと優しく、
わたしの腕に包帯を巻き始める。
五条「細いね、腕」
『……巻き終わったなら離せ』
五条の手は更に伸び、二の腕を握られた。
五条「ちゃんと二の腕柔らかいね」
背中がぞくぞくして、
少しだけくすぐったい。
『呪霊のくせに?ってこと?』
嫌味を込めて聞いてみたら、
五条「ううん、ただ俺が柔らかい二の腕が好きなだけ」
『うわ………』
五条「ジョークだよジョーク!
ガチで引かないで!俺泣いちゃうよ!」
と、騒ぎだした。
それから、ワチャワチャして家を出た。
伊地知?っていう人が迎えに来てくれて
一緒に車の後部座席に座った。
伊地知「あ、あの、その、その方は?」
五条「あ、言ってなかったっけ?
2年に編入したAちゃんでーーす」
『どうも』
伊地知「あぁすみません。よろしくおねがいします。」
この人、随分と疲れてそうだ。
それもこれも、横で長い脚を組んで座っているこの男のせいだろう。
すると、五条の携帯が鳴った。
五条「もしもし?どした?」
信号が止まるたびに、
伊地知とバックミラー越しに
チラチラと目が合う。
…
五条「オッケー、新宿ね」
そうもすれば、五条は通話を終えていた。
五条「伊地知、このまま新宿に向かって」
伊地知「新宿ですか?」
五条「ななみが迎えに来てほしいらしい」
ナナミ?
誰?女??
伊地知「あ、はい。わかりました。このまま向かいます。」
ここから新宿までって結構あるよね…?
五条「じゃっ、伊地知。
法定速度ギリギリでぶっとばせよ?」
伊地知「(ひぃっ……なんだこの重圧は…!!)」
『事故らない程度にお願いします』
伊地知「(…Aさん、まだ優しい人だな)
え、ええ、最善を尽くします」
少しずつ伊地知が不憫に思えてきた。
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ツバメ - マキと彼女の手合わせ時乙骨達以外にもし甚爾が高専の講師やってこれを観てたら乙骨は兎も角マキの様に手加減されてるのに気づくだろうし訳ありの呪霊程度にも気付くかもしれないですね! 甚爾出演無理ですかね? (2022年2月17日 18時) (レス) @page30 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - みくさん» ありがとうございます。ご期待に答えれるよう努めていきますので、これからもよろしくおねがいします (2022年2月12日 0時) (レス) @page33 id: 62510eceb8 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 意味で占ツクで見てきた中でいっちゃんドストライクです。更新待ってます❤️ (2022年2月11日 21時) (レス) @page31 id: e565c66f21 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - Umiさん» 最高のお言葉をありがとうございます (2022年2月11日 8時) (レス) id: 62510eceb8 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - nanaさん» ありがとうございます!夢主かっこいいですよね。これからもっとかっこよくなるのでお楽しみに (2022年2月11日 8時) (レス) @page30 id: 62510eceb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:0000 | 作成日時:2022年1月31日 21時