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花の死に方 ページ11





私と棘は

花壇の瓦礫やガラスを退け、

一箇所に集めた。



そして、さっぱりと何もなくなった土を掘り返し、

花の苗をひたすら植え替えていた。




気づけば、日は傾き、

空がオレンジ色になっていた。







棘「しゃけ」

『…』

棘は立ち上がった。




私は気づいていないフリをしようとしたけど、

乙骨「Aさん」

乙骨が私の名前を呼んだから無視できず、
しゃがんでいた私は、仕方なく立ち上がった。




乙骨「本当にごめんなさい!!!!!!」

棘「!!」

いきなり大声で頭を下げて、
謝るもんだから、
棘は目を丸くして驚いていた。


『…』

乙骨「ごめんなさい…!!!」


後頭部を見せつけてくる。




乙骨「…失礼なことを言ってしまったし、
里香ちゃんを制御できなかった僕が悪いんだ…。
何もしていないのにひどい傷を負わしてしまった…」


『…』


乙骨「許してほしいとは言わない。
だけど、謝らせてほしいんだ…!!」



乙骨は頭を下げ、地面に向かって謝り続ける。



『…乙骨。』

乙骨「…」

『……私に謝らなくていいから、
花の植替え手伝ってくれない?』

乙骨「!」


そういうと、バッと顔を上げた。

いつもオドオドしてると思いきや、
行動の1つ1つは激しい。




『あと、10個ぐらい?』

棘「しゃけ」

棘が頷いた。





乙骨「…!」

乙骨はずっと驚いた表情をしていた。





あぁ、夕日の光が顔に当たってヒリヒリしてきた。




『……なに?
植替えするぐらいなら、許されないほうがマシ?』

乙骨「い、いや!違うよ!
そういうわけじゃないよ!」

と、乙骨は慌てていた。



『じゃあ、ボーッとしてないで早く手伝って』

私はスコップを乙骨に渡した。



乙骨「え、あっ、どこに行くの?」

『もう1つ、スコップ取ってくる』

乙骨「ぼ、僕が取ってくるよ!」

『いい。それ使って。』




私は奥の倉庫へ向かった。









……


その道中、

瓦礫の横に潰れた花たちの残骸があった。






枯れてもいないし、

花ビラの色は未だ鮮やかだった。

しかし茎が折れ、潰れた花は、

呆気なくすぐに植え替えられる。


もう、この花たちの命は終わり。




『…』




でもこの花たちは棘に大事にお世話されていた。

呆気ない【死に方】だとしても、

私よりはずっと良い【生き方】をしていた。




私はいつも、

【死に方】も【生き方】も

呆気ないんだ。

平和ボケ→←話さない君は心優しい



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ツバメ - マキと彼女の手合わせ時乙骨達以外にもし甚爾が高専の講師やってこれを観てたら乙骨は兎も角マキの様に手加減されてるのに気づくだろうし訳ありの呪霊程度にも気付くかもしれないですね! 甚爾出演無理ですかね? (2022年2月17日 18時) (レス) @page30 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - みくさん» ありがとうございます。ご期待に答えれるよう努めていきますので、これからもよろしくおねがいします (2022年2月12日 0時) (レス) @page33 id: 62510eceb8 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 意味で占ツクで見てきた中でいっちゃんドストライクです。更新待ってます❤️ (2022年2月11日 21時) (レス) @page31 id: e565c66f21 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - Umiさん» 最高のお言葉をありがとうございます (2022年2月11日 8時) (レス) id: 62510eceb8 (このIDを非表示/違反報告)
0000(プロフ) - nanaさん» ありがとうございます!夢主かっこいいですよね。これからもっとかっこよくなるのでお楽しみに (2022年2月11日 8時) (レス) @page30 id: 62510eceb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:0000 | 作成日時:2022年1月31日 21時

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