そばに居るから。 2 (ページ37)

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side亜嵐

昨日の夜は、メンさんが涼太を寝かしつけただとか抱っこして運んだとか、羨ましいことを聞いて。

俺も頑張らないとなって。

そう思いながら涼太の寝顔を眺めていると。

龍「あ、亜嵐くん。涼太のこと起こしたってくれん？」

亜「おっけい！」

龍「せや。涼太、朝弱いから。ゆっくり起こしてやってほしい」

亜「はーい！」

どうやら朝が苦手らしい涼太。

龍友くんは、時間がかかってもいいからゆっくり起こしてやってと言った。

亜「りょーた。涼太、朝だよー」

トントンと優しく肩を叩きながら声をかけるも、起きる気配は全くなくて。

亜「朝だよー。起きれる？」

それでもしつこく声をかけていると、少しモゾモゾと動いた涼太。

亜「お、ちょっと起きたかな？」

涼「んぅ、？」

亜「お！亜嵐くんだよー。おはよう」

可愛らしい声とともに、ちょっとだけ布団から顔を出した涼太。

亜「おはよう、りょーた」

顔を覗き込むようにして優しく話しかける。

涼「んー」

涼太は眠そうに目を擦りながら俺をじっと見つめる。

亜「ぎゅってする？」

涼「んーん、りゅ、とくん、」

亜「龍友くんはリビングいるよ。行く？」

涼「ん」

やっぱり涼太にとって龍友くんが1番の安定剤で。

亜「よし、行こっか」

そう言って歩きだそうとするけれど、後ろに涼太の気配がなくて振り返ると、ベッドに座りながら俺を見ている涼太。

亜「どした？リビングに龍友くんいるよ？」

俺がそう言うと涼太は少し下を向いたあと、遠慮がちに俺を見る。

涼「手…」

小さな声。

ほんの一言。

だけど、もしかして。

亜「手、繋ごっか」

涼「うん！」

今日初めての、涼太の笑顔。

伸ばされた手をとると、また嬉しそうに笑ってくれる涼太。

涼太が笑ってくれる。

それだけで嬉しくなった。