そばに居るから。 2 (ページ29)

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side龍友

"次世代を担う新たなグループを作る"

"候補生として活動してみないか"

頭が真っ白になった。

夢、じゃないよな？

目の前に立つHIROさん、スタッフの方々。

その真剣な眼差しに、夢じゃないんだと感じ取る。

龍「やらせてください！」

そう言って頭を下げる。

H「涼太はどうする？嫌なら辞退でもいいんだぞ」

そう言うHIROさんの視線の先には、僕の隣に立つ俯いたままの涼太。

握りしめられた拳は、微かに震えていた。

龍「涼太。お前の人生やろ。お前が変わりたいって言ったんと違うんか。お前の素直な気持ちを言えば良いんや」

素直な気持ちを言う。

周りからすれば簡単なことかもしれない。

だけど今までずっと自分の気持ちを押し殺してきた涼太にとっては、それがいかに難しいことか。

一緒に暮らすようになって改めて、実感していた。

僕が耳元でそう囁くと、覚悟を決めたように顔を上げて。

涼「…り、ます、やらせて、ください！」

僕がしたように頭を下げた。

それを見てもう一度、僕も頭を下げた。

H「よし、言ったな。やるって決めたからには、ちゃんと責任をもってやり遂げるんだぞ」

龍「はい！」

涼「、はい！」

叫び出したいくらい、嬉しかった。

チャンスが巡ってきたんだ。

これが最後のチャンスなんだ。

そう思って、死ぬ気でやろうと心に決めた。

龍「やったな！」

事務所を出た瞬間、思いっきり涼太を抱きしめた。

涼「頑張らないと、だね、」

龍「絶対に一緒にデビューしよな！」

涼「うん、！」

僕らの運命が動き出したこの日を、僕らは一生忘れないだろう。

帰り道にふたりで見た夕焼けが、これでもかってくらいに輝いて見えた。