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side龍友
トイレに少し時間がかかってしまい、さっきの涼太が気になって少し急ぎ足で戻る。
部屋に近づくにつれ、ガヤガヤとした声が聞こえてくる。
最初は、何かの拍子にみんなが打ち解けたのかななんて呑気に思った。
だけど、あと少しで部屋に着くとき。
?「涼太くん!?」
?「どしたの、?」
"涼太" と言う声に体が大きく反応するのがわかった。
そして。
涼「やぁ、やぁっ……………あーーーっ!」
鼓膜を突き破りそうなほどの涼太の大声が聞こえてきた。
ガチャンッ!
龍「涼太っ!」
勢いよくドアを押し開けると、部屋の隅で耳を塞いでうずくまり、過呼吸に陥っている涼太がいた。
その周りでどうすべきかわからず立ち尽くす5人。
亜「あ、あの、龍友くん、」
亜嵐くんが僕に声をかけてくれたけど、それは後でいい。
今は、涼太だ。
龍「涼太っ!大丈夫、大丈夫やから!」
涼太の体をしっかりと抱きしめて呼吸を落ち着かせる。
涼「はぁっ、はぁっ、はぁっ、」
龍「そう、ゆっくりな。もう大丈夫。ごめんな」
呼吸の落ち着いた涼太は、くたっと僕に体重を預ける。
龍「ん、おるからな。ちゃんとおるよ」
そう声をかけていると、ふと涼太が重たくなった気がした。
龍「寝た、か」
メ「あ、こっち、ソファ使って?」
龍「ありがとう、」
メンさんが気を使ってソファに毛布をセットして待ってくれていた。
ありがたく涼太をそこに寝かせると、メンバーと目が合う。
だけど聞いていい事なのか悩んでいるのか、何も言ってこない。
龍「ごめん、びっくりさせて、」
亜「んーん、全然」
隼「何も出来なくてごめん」
みんなが戸惑ったように僕らを見ていた。
涼太がこうしてみんなの前でパニックを起こしたのは初めてだった。
涼太がパニックを起こしてしまうことを言っていなかったから、びっくりして動けなくなるのも仕方がない。
メ「あの、さ、何が起きた、の?」
遠慮がちに言葉を紡ぐメンさん。
全部言ってもいいものなのか。
どこまでなら話してもいいのか。
龍「涼太、こうしてパニック起こしてしまうことがたまにあるねん」
真剣に聞いてくれるみんな。
龍「僕が勝手に話すわけにはいかんから、また涼太の話を聞いてほしい…」
亜「そう、だよね」
なんと言っていいかわからないけど。
龍「涼太の家、結構複雑やったから、」
部屋が静まり返った。
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npagxp(プロフ) - 叶夢さん» ありがとうございます! (2020年8月27日 22時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
叶夢(プロフ) - これからも楽しみにしてます(*´∀`) (2020年8月27日 19時) (レス) id: 08075bc0b9 (このIDを非表示/違反報告)
叶夢(プロフ) - 涼太が謝る"理由"(´;ω;`)気になります(´;ω;`) (2020年8月24日 21時) (レス) id: 08075bc0b9 (このIDを非表示/違反報告)
npagxp(プロフ) - りささん» いつもコメントありがとうございます! (2020年8月24日 20時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 涼太君が無事に退院出来るといいな(*^-^*) (2020年8月24日 1時) (レス) id: 3d828ae167 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:npagxp | 作成日時:2020年4月1日 19時