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#68 ページ20

side涼太

"シェアハウス"

龍友くんの口から出た提案。

俺がそれを断る理由なんてどこにもない。




龍「ええんか?そんな答え急がんでも、ちゃんと待つで?」

涼「ううん。シェアハウス、したい」

龍「そっか。じゃあ決まりやな」


そう言って笑った龍友くんは、駅近がいいな、なんて言っていてだいぶと気が早い。


そんな様子をぼーっと見ていると、そうや、なんて言って俺を見た龍友くん。


龍「いっぱい色んなこと、教えたるからな。楽しみにしとけよ」

満面の笑みでそう言った。



まだまだある、俺の知らないコト。

それを教えて貰えるんだ。

新しい世界に飛び込んでいくような感覚。



涼「うん!」

気が付けば、自分でも聞いた事のないような弾んだ声で返事をしていた。

そして目の前の龍友くんは目を丸くして言ったんだ。



龍「お前、笑えるやん」

涼「…え?」


笑った、?

俺が?

笑顔の作り方なんて知らない。

だけど龍友くんが歯を見せて笑うたび、笑顔が作れる龍友くんを羨ましいと思っていた。



龍「初めて見た…!やば!なぁ、もっかい笑って!」

涼「む、り…わかんない…」


だけど自分でもどうやって笑顔を作ったのか分からない。



龍「よっしゃ、僕が涼太から笑顔を引き出してやる!色んな表情、引き出したるから覚悟しとけよ?」


そう言い張った龍友くんは、イタズラっ子みたいな笑顔を見せた。









龍友くんと居れば、新しい発見ばかり。


新しい世界、新しい景色。

新しい俺。









龍友くん、龍友くん。

俺の毎日に龍友くんが加わった日から、俺の毎日が変わった。

龍友くんの隣が俺の居場所になった。

それが、新しい俺の当たり前の毎日になった。





合宿が終わって、オーディションも終わった。

受かったのは俺でもなく、龍友くんでもなかった。

家に帰るのが怖かった俺は、龍友くんの家に行った。





龍友くんの家に、"お父さん" は居なかった。


写真だけが、そこにあった。



だけど俺は、何も聞かないことにした。

だって龍友くんは何も言わなかったから。


龍友くんの "お母さん" は、唐揚げをご馳走してくれた。

きっとその日からだ。

唐揚げが大好物になったのは。



……………………………………………………………

作者より

たくさんのコメント、ありがとうございます!

お返事返せなくてごめんなさい。でもちゃんと全部、読ませて頂いています!

これからも引き続き、よろしくお願いします!

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npagxp(プロフ) - 叶夢さん» ありがとうございます! (2020年8月27日 22時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
叶夢(プロフ) - これからも楽しみにしてます(*´∀`) (2020年8月27日 19時) (レス) id: 08075bc0b9 (このIDを非表示/違反報告)
叶夢(プロフ) - 涼太が謝る"理由"(´;ω;`)気になります(´;ω;`) (2020年8月24日 21時) (レス) id: 08075bc0b9 (このIDを非表示/違反報告)
npagxp(プロフ) - りささん» いつもコメントありがとうございます! (2020年8月24日 20時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 涼太君が無事に退院出来るといいな(*^-^*) (2020年8月24日 1時) (レス) id: 3d828ae167 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:npagxp | 作成日時:2020年4月1日 19時

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