#39 ページ39
side裕太
窓から差し込む光の眩しさに目を覚ます。
裕「あれ」
ふと涼太くんの方を見ると、龍友くんに抱きしめられながら眠っていた。
龍友くんも、しっかり涼太くんの背中に腕を回して眠っていた。
裕「起きたんかな」
メ「ぽいね」
裕「うぉ、びっくりした」
いきなりメンさんの声が聞こえてきて弾けるように振り返った。
メ「ごめんごめん」
裕「涼太くん、泣いてたんかな」
覗き込んだ涼太くんの顔には、涙の跡がいくつも残っていた。
乾ききったほっぺたを優しく撫でる。
メ「涼太、起きちゃうよ」
裕「ちょっとやから大丈夫」
涼「んぅ、？」
裕「あ、ごめん。起こしてしもた」
メ「ほら、言わんこっちゃない」
眠たそうに目を擦りながら俺をじっと見つめる涼太くん。
裕「ごめんな。起こすつもりはなかってん」
そう言ってみても、俺を見つめるだけで何も言わない涼太くん。
裕「どした？龍友くん寝とるな。こっち来るか？」
ソファを手でとんとんしながら涼太くんに問いかける。
涼「ん」
ゆっくり頷いた涼太くんを見て、手を伸ばしてやる。
裕「ゆっくりでええから」
眠って力が抜けた龍友くんの腕からするりと抜け、恐る恐る足を床につける涼太くん。そんな涼太くんの体を支えながらソファに座る。
涼「こっち、がいい…ダメ？」
隣に座ったかと思えば急に体を倒して、俺の膝の上に頭をのせる。
そしてそのまま上目遣いでダメ？なんて聞いてくるからズルいよね。
ダメ、なんて言えなくなるじゃん。まぁ言うつもりはさらさらないけど。
裕「ええよ。あかんわけない」
頭をグリグリしてやると、痛い、なんて言いながらもどこか嬉しそうな顔をして笑った。
涼「ゆ、たくん、ずっと、一緒？」
にこにこしていた涼太くんが、ふと落ち着いたトーンでそう言った。
不安そうに揺れた瞳はすぐに俺から逸らされ、どこか違う所を見つめていた。
裕「当たり前やん。ずっと一緒におるで。一生、一緒におるよ」
さっきよりも水分を多く含んだ瞳が俺を捉えた。
裕「涼太くんが嫌やって言っても離れへんからな？」
涼「ふふっ、いいよ」
あ、笑った。久しぶりの涼太くんの笑顔。
思わずつられて俺も笑う。
不安、なんだよな。
だからそんな質問、したんだよね。
いつの間にかトイレに行っていたメンさんが帰ってきた時も、俺にした質問と同じようなことを質問していた。
言葉にすることで、少しでも涼太くんに俺らの気持ちが伝わるといいな。
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npagxp(プロフ) - 叶夢さん» ありがとうございます！ (2020年4月1日 21時) (
レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
叶夢(プロフ) - 続編も楽しみにしてます(*´∀｀) (2020年4月1日 17時) (レス) id: 08075bc0b9 (このIDを非表示/違反報告)
npagxp(プロフ) - 叶夢さん» お仕事お疲れさまです！そう言って頂けるととても嬉しいです！できるだけたくさん更新できるよう頑張ります！ (2020年3月9日 16時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
叶夢(プロフ) - 今、仕事がすごく忙しくて(;_;)このお話読むのが１つの息抜きです(;_;)更新ありがとうございます!! (2020年3月9日 11時) (レス) id: 08075bc0b9 (このIDを非表示/違反報告)
npagxp(プロフ) - 叶夢さん» コメントありがとうございます！今まであまり末っ子を出せなくてすみませんでした…これからはもう少しバランスよくだせるように頑張ります！ (2020年2月2日 20時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：npagxp | 作成日時：2020年1月19日 10時
