#18 ページ18
side隼
涼「んー!」
なんて言いながら龍友くんにもたれている涼太くん。
スタジオへ向かう移動車の中。
涼太くんが、龍友くんにべったり甘えている。
いいなぁ、俺にも甘えてきてくれないかな、なんて。
だけど、涼太くんは自分より年下の俺にだけは甘えてこない。
俺の方がお兄ちゃんだし、って言って聞かない。
亜「なに、隼も甘えたいの?涼太に嫉妬ですか?」
隼「違うし。俺は龍友くんに嫉妬してんの!」
亜「えー」
嘘だぁー。なんて子どもみたいなことを言っている亜嵐くんを無視して、もう一度ふたりを見る。
その姿は、完全な "お兄ちゃん" と "弟" で。
俺と涼太くんが並んで座ったら、俺は "弟" の方になるんだろう。
涼太くんのパニックになっている姿を見るたびに。
泣き叫ぶ涼太くんを見るたびに。
今にも壊れそうな涼太くんを見るたびに。
あぁ、俺がもっと大人だったら。
もっとしっかりしていれば。
そう思うんだ。
そうすれば、涼太くんは俺にも甘えてきてくれるだろう。
だけど、そんな願いが叶わないことはわかっているから。
隼「涼太くん、着いたよ!行こっ!」
車から降りて、涼太くんの手を引く。
涼「隼、転けちゃうよ。スタジオは逃げないんだから」
そう言って笑う涼太くんを引っ張っていく。
速いよ。なんて言いながらも、俺に着いてきてくれる涼太くん。
そう、俺に出来ることは。
永遠に "弟" でいること。
涼太くんが "お兄ちゃん" でいられる環境を作ること。
大好きな涼太くんが、笑顔で居られるように。
涼「あ、隼!コーヒーあるよ!」
隼「だーかーらー!コーヒーは俺が特別にブレンドしてあげるからもう少し待ってって!」
涼「ごめんごめん」
くだらない会話。
何気ない会話。
だけど、すごく大切な時間。
隼「あ、アクエリ忘れた!涼太くん買ってよー」
涼「仕方ないなー」
特別だよ、みんなに秘密だよ。なんて言って唇に指を添える。
涼太くんは、年長組に甘える。
俺と玲於は、涼太くんに甘える。
それでいいんだよって、みんなが教えてくれた。
涼太くんだって "お兄ちゃん" をやりたい時もある。
だから、涼太くんが "お兄ちゃん" でいられる空間を作ることもすごく大事なんだって。
あの日に、みんなで話し合ったんだ。
これからのこと、7人のこと。
その時にみんなが、そう教えてくれたから。
俺は
俺に出来ることをやるんだ。
315人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「病系」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
npagxp(プロフ) - 叶夢さん» ありがとうございます! (2020年4月1日 21時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
叶夢(プロフ) - 続編も楽しみにしてます(*´∀`) (2020年4月1日 17時) (レス) id: 08075bc0b9 (このIDを非表示/違反報告)
npagxp(プロフ) - 叶夢さん» お仕事お疲れさまです!そう言って頂けるととても嬉しいです!できるだけたくさん更新できるよう頑張ります! (2020年3月9日 16時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
叶夢(プロフ) - 今、仕事がすごく忙しくて(;_;)このお話読むのが1つの息抜きです(;_;)更新ありがとうございます!! (2020年3月9日 11時) (レス) id: 08075bc0b9 (このIDを非表示/違反報告)
npagxp(プロフ) - 叶夢さん» コメントありがとうございます!今まであまり末っ子を出せなくてすみませんでした…これからはもう少しバランスよくだせるように頑張ります! (2020年2月2日 20時) (レス) id: 3150c02125 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:npagxp | 作成日時:2020年1月19日 10時