NPO－なにわ男子－ (ページ27)

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大ちゃんの膝でヨシヨシされながら、泣いてたら誰かが来る足音がする。

それでも、普段のように顔を上げれるほど今の自分は、強くなかった。

「りゅーせ。」

いつもみたいにばか騒ぎしておらず、甘いハスキーな声で問いかける大橋くんにむず痒い。

「帰ろ？帰ったら、美味しい卵焼き作ったるからさ。」

うんと頷くと、力持ちの大橋くんが、今日は特別やで〜とおんぶしてくれる。

「おかえり、流星。
なんや、大吾と大橋も一緒やったんか。」

シャイな丈くんはこう言うけど、本当の事を知ってるから、ちゃんとお礼しとこう。

「丈くん、ごめんなさい。
…そんで、ありがとう。」

お母さんには言えなかった、心配かけてごめんなさい。と、これまでありがとう。を

一瞬、驚いたような顔をしたけど、すぐに口元を緩めてくれて

「いいえ、どういたしまして。」

ひと足早く、キッチンに立った大橋くんから

「よーし！作るで！！」

と大きな声が聞こえてくる。

大ちゃんには、「手洗っておいで。」と言われ、年下組がいない今、僕は甘やかされすぎて大きな子どもみたい。

「あぁ！焼きすぎた！！」

「えぇちょっと大橋くん！これじゃ、ふわふわな卵焼きやなくてカチカチな卵焼きやないですか…！！」

「りゅーせぇごめんってぇ？また作るからさ…今日は『カズヤ特製カチカチ卵焼き』で勘弁して？」

今日は、久しぶりに誰かが作ってくれた卵焼きを食べれた。

お母さんのとは似ても似つかないのに、なんでか心が温かくなったのは、なんでやろ。