不運な保健委員会 ページ21
乱｢あ！Aさん！｣
『乱太郎くん！保健委員会だったんだね！』
医務室を開けた途端迎えてくれたのは、保健委員会の子たちよりも先に、強い薬草の匂いだった。
薬を作る道具や薬草らしき植物があり、中には乱太郎くん含め、四人の生徒の笑顔が見える。
『あれ？…雨』
空気の匂いが変わり、幾つも水が地面に落ちる音が背後から聞こえる。先程までは晴れていたのに、突然雨が降り始めたのだ。
私たちが空を見上げると、乱太郎くんが廊下へ飛び出した。
乱｢今から薬草取りいこうと思ってたのにぃ！不運だぁあ！！｣
『それは不運だったね…』
文｢いつものことだ｣
『そうなの？』
文次郎くんたちは困ったように笑っていた。
そうはいうけれど突然雨が降り出すなんて、結構ありがちだと思うのだが、乱太郎くんや保健委員会のみんなの悲しみは大きいように見える。
乱｢私たち…不運な生徒が集まった…保健委員会…別名｣
保健委員｢不運委員会なんですっ…！！｣
そう声を合わせると、伊作くんまでも嘆き始めてしまったのだ。
耳を傾ければ｢僕の所為だ｣と、何故か自分を責めている。私は訳が分からないまま、取り敢えず肩を落とす伊作くんに問い掛けた。
『ど、どうしたの？なんで伊作くんの所為なの？？』
小｢無理もないな｣
何かを知っていそうに笑う。
留｢伊作は不運大魔王と呼ばれているんだ。何かしようとすると雨が降ることなんてもはや日常だし、一つの過ちから連鎖して、全てがひっくり返ることなんて珍しくない｣
仙｢同情するにも間に合わないんだ｣
『そ、そんなに…？』
過去の不運を軽く幾つか聞いたがこんなの序の口だと言われてしまい、慰め方に迷ってしまう。
それに同室の留三郎くんは伊作くんの不運に巻き込まれ、二人とも日々が満身創痍らしい。
留｢小平太、あまり言ってやるな。俺は気にしてないって｣
小｢だって！本当のことじゃないか！なはは！｣
痛いところを突かれたようで、更に伊作くんは小さくなってしまう。
『運を操作するのは難しいけど、一緒に立ち向かうことはできるから、私にできることなら手伝うし助けるよ。だから、一人で抱え込まないで』
伊｢う、うぅ、Aちゃん……｣
泣かすつもりはなかったので、目を擦る保健委員のみんなに同情もできず謝った。
伊｢ありがとう……っ｣
『うん…！』
みんなが泣き止んだ頃、雨はすっかり止んでいた。
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雅 - 私のキャラによれば、心根には優しいし、気配り上手で、自己犠牲な部分がある所ですね…😅(笑) (2022年5月30日 18時) (
レス) id: ded74af8a4 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - ピーナッツさんが作ったキャラクターの設定部分、愛らし(可愛らしい)かったです🥰 (2022年5月30日 16時) (レス) id: f7041fcaa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピーナッツ | 作成日時：2021年9月4日 23時
