【忍たま】ちょっと夢見てきます。15

伊作 ページ41

伊｢ほらA、まだ完治してないんだから｣

『分かってる…でも、伊作の薬苦いんだもん…』


最近胃の調子が悪く、伊作に薬を処方してもらっていたのだ。
それが苦くて苦くて。早く治したいのは山々だけど、正直気が乗らなかった。


伊｢良薬は口に苦し。美味しい薬なんて殆ど無いよ？そんな嫌そうな顔しないの｣

『うぅ……はい…』


湯呑みの中で揺れる土色の水面に唇を付けた。

口の中に入り込むだけで、唾が出る程の苦味が広がる。
でもここで止めればまた抵抗してしまう。だから飲むというより一息に喉に流し込んだ。


伊｢良くできました｣

『うえﾞぇ…っ』


甘いものを口にしたいところだが、多分保健委員長は許してくれないのを知っているから口に出さない。


『この薬凄く効くんだけど、副作用なのか眠くなるんだよね』

伊｢問題はそこなんだよね。僕もその副作用が無くなるようにしたいんだけど｣

『まあでもお腹が痛くなるよりは全然マシだけどね。伊作、ありがとね』

伊｢いえいえ、保健委員ですから｣


今日は授業は無い。まだ安静にしておきたいし、部屋に戻って昼寝でも…だなんて考えていれば、伊作が止めた。


伊｢此処で寝ていったら？｣

『でも今具合が悪いわけじゃないし…』

伊｢一応まだ病人だろう？｣

『あ、もしかして一人で医務室の当番するの寂しいの？』

伊｢え…！あ、いや、その…｣

『嘘だよ。心配してくれてありがとう』


笑うと頬を搔く。もしかしたらもしかして？なんて思ったけど心配してくれているのは本当のことだ。


『お言葉に甘えようかな』

伊｢うん、じゃあ布団敷くね｣


妙に嬉しそうにしている様子に首を傾げた。

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