仙蔵 ページ31
仙｢どうだ、文次郎なんかに教わるよりも余程私の方が上手いだろう｣
『うんん…………変わらないや』
仙｢なにぃ？｣
同室が夜の鍛錬で不在のい組の部屋。
試験が近いから成績優秀な仙蔵に教えてもらっているのだが、月が昇るのと逆に、私の集中力は沈んでいった。
素っ気なく流すように返事をすれば、灯りに照らされた不服そうに迫る眉根が見える。
『あ、でもいい意味で』
仙｢付け加えればいいわけではないからな｣
『ふぁいすみません』
仙蔵の指が欠伸する私の頬を軽く摘み、私は目を細めた。
仙｢じゃあここまで自分でやってみろ｣
『え、仙蔵見てくれないの？』
仙｢私だって試験だ。いくら優秀な私でも勉強は必要だからな｣
と、垂直に並べたもう片方の机に向かってしまった。
仙蔵が見ていないとなるとプレッシャーを感じず少し緊張が途切れて集中力が更に下がってしまう。
それでも試験のため、自分のために筆を走らせなくてはならなかった。
＿
仙｢A、今日は今夜はそろそろ…っておい…！必要以上に筆を寝かせるな…！考えるなら硯に置いてから……｣
仙｢A？｣
異変に気付いた仙蔵の目に映ったのは、墨を染み込ませた筆を容赦なく紙に押し付けたまま固まったAの姿。
お陰で紙の真ん中には黒い溜まりができてしまい、そこに書いてあった文字が潰れてしまっていた。
軽く肩を揺さぶると、はっと睫毛を上げ、筆を浮かせた。
『わ………ぁぁ、ごめん……』
仙｢眠いのか？まぁ無理もないが｣
筆を置き目を擦る彼女を、呆れつつも優しげな眼差しで見つめる。
机の上を片付け始め、動きの鈍いAの教材も閉じようと手を伸ばした時だった。
仙｢お、おい｣
こてんと仙蔵の腕に頭が落ちた。
そんな予想ができているわけもなく、流石の仙蔵にも動揺が走る。
仙｢寝るなら自室で寝ろ。風邪引くぞ｣
『………ぅん……』
ろくに最後まで言葉を発さず、最後は殆ど消え失せた。
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ピーナッツ(プロフ) - 空さん» ピクリューで｢テイク式女メーカー｣と調べていただくと出てくると思います！ (3月17日 7時) (
レス) id: 721fcb8351 (このIDを非表示/違反報告)
空 - あの、主人公の女の子ってどのメーカーで作ったんですか？ (3月16日 18時) (レス) id: c61495b448 (このIDを非表示/違反報告)
ピーナッツ(プロフ) - 空さん» わわ、その通りです…！💦すぐに訂正いたしました。ご指摘いただきありがとうございます🙇♀️ (2月25日 8時) (レス) id: 721fcb8351 (このIDを非表示/違反報告)
空 - この作品"１５"ではないんですか？ (2月24日 19時) (レス) id: c61495b448 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピーナッツ | 作成日時：2024年2月21日 6時
