ページ ページ14
『兵助って大人しくて控えめな感じするけど、あの時はもう必死な感じで。途中から兵助が仕掛けたみたいになっちゃってさ、壁に追い詰められちゃったんだよね』
『凄い手震えてたし、慣れてないのバレバレだったよ。私も人のこと言えないけどね』
頬に触れた手や、壁を触る手が震えていたのを知っている。体温が上がって熱くなっていたのも。
『でも豆腐を前にした時の顔と似てるかな？食堂で豆腐が出た時みたいな』
伊｢と、豆腐と、Aさんは違います……｣
『え、？』
伊｢あっ……なんでもない｣
(俺は確かに豆腐を愛している…でも、Aさんを前に豆腐のことは考えない…豆腐と同じだって…思われたくないなぁ…)
気の所為だと思うが、今の伊作が兵助と重なったように見えた。
ふと、兵助は豆腐と好きな子を天秤にかけた時、どちらを重くするのか、なんて思ってしまう。
伊｢もう一つ聞くけど、兵助のことは好き？｣
『えっ、す、好き…？』
伊｢あﾞﾞっっ！！｣
(これはあまりにも単刀直入すぎる…！！これは自分の首を締めるだけだ…！！)
伊｢い、いや！今の無し…！！｣
『……そ、それはどんな意味の好きかは聞かないけど、兵助のことは好きだよ』
伊｢え｣
兵助だけじゃなく、みんな大好きだ。かっこよくて可愛くて心優しい忍たまたち。歳下とかそんなの、関係無い。
(流石にどっちの好きとかまでは聞けない…！！けど、こ、これ程の破壊力……っ伊作先輩だし、変な顔しても大丈夫か…)
『豆腐に狂ってるけど、第一印象は優しくて頼りになる人だし、話してみても間違ってなかったなって思う。兵助の近くに居ると気持ちがふわふわしてあったかくなるんだぁ』
伊作は変な顔をしていた。
正直何を考えているのか分からない。怒ってるようにも見えるし、照れているようにも見える。
伊｢へ、へぇ〜……｣
『もしかして、妬いてる？』
伊｢え！？違うよ…！｣
『伊作のことも好きだから大丈夫だよー』
伊｢(な、なんか…慣れている……)｣
にこにこ笑っていると、伊作がくるりと後ろを向いた。何かボソボソ言っているけど聞き取れない。
私は勝手に、照れているんだと解釈して、なんだか今日はいつもより少しだけ小さく見えた背中に笑う。
すると顔はもう見せず、走っていってしまった。
絶対穴に落ちると思ったのに、落ちることなく。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ピーナッツ(プロフ) - 空さん» ピクリューで｢テイク式女メーカー｣と調べていただくと出てくると思います！ (3月17日 7時) (
レス) id: 721fcb8351 (このIDを非表示/違反報告)
空 - あの、主人公の女の子ってどのメーカーで作ったんですか？ (3月16日 18時) (レス) id: c61495b448 (このIDを非表示/違反報告)
ピーナッツ(プロフ) - 空さん» わわ、その通りです…！💦すぐに訂正いたしました。ご指摘いただきありがとうございます🙇♀️ (2月25日 8時) (レス) id: 721fcb8351 (このIDを非表示/違反報告)
空 - この作品"１５"ではないんですか？ (2月24日 19時) (レス) id: c61495b448 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ピーナッツ | 作成日時：2024年2月21日 6時
