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そう言われても気になってしまう。

珍しく落ち着かない雰囲気の利吉さんに首を傾げた。


利「本当は私個人の仕事を女の子に手伝ってもらうなんて申し訳なくて気が進まなかったんだけど、断る瞬間を逃してしまってね…」


情けないと頭を搔いていた。


利「勿論お礼はするよ。無理強いの頼みだし、危険が無いとも限らないしね」

『お、お礼なんていいですよ…!それを目当てに承諾したわけでもないですし』

利「そういうわけにはいかないよ。お礼はさせてくれ」


そんな言葉に私は頷くしかなく、有り難く受け取ることにした。


利「屋敷に出向くのは明日の約束なんだ。だから明日また迎えに来るよ」


明日は忍術学園が休みで丁度良かったと笑っていたが、それを狙っていたとしか思えなかったことは私の中だけの秘密。


利「正門の中で待っていたいところだけど、外で待たせてもらうよ」

『それはいいですけど、どうしてですか?』

利「いやぁ、くノ一の子たちに見つかると少し厄介だからね」

『利吉さん、人気ですもんね』


そうやって言えば眉を下げて笑っていた。

確かに追いかけ回されてしまったら任務どころではなくなってしまう。


『じゃあこの事は山田先生にお伝えしてもいいですか?外出許可書も必要ですし』

利「そのことなら大丈夫。もう先刻話はして許可は得ているから」

『ならいいのですけど、話す順番が逆なのでは…?』

利「あはは、父上にもそう言われてしまったよ。すまない」


少し目を伏せた私だが、利吉さんに頼りにされて何やかんや嬉しかったので直ぐに表情を戻した。


そして今日もこれから受けてあった仕事があるようで、もう帰られるとのこと。
明日の時間の約束をして、利吉さんはお帰りになった。

私はもう今から緊張の糸が張り詰めていた。



_



『変じゃないよね…大丈夫かな…』


翌日。今日着ていく小袖は昨日の内に決めておいたが、改めて着てみると何処か不安で仕方ない。

派手すぎるのもやりすぎな気がするし、かと言って地味すぎるのもお屋敷を出入りするのに失礼な気がしてしまって…


『こっちの方が…いや、でもやっぱあっちの方が……って、』


なんだかこれではデートの服を選んでいるようではないか。

断じてそんな浮かれた気持ちで行く用事ではないと、気を引き締めた。

濁し→←妻役



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作者名:ピーナッツ | 作成日時:2023年11月20日 7時

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