真 ページ45
『夕焼け、綺麗だね』
伊｢うん、僕たち随分時間を忘れていたみたい｣
私たちが帰ろうと思ったのは、太陽が黄金色に染まっていたから。
あんなに真上にあったのに、今はもう山の向こうへ隠れようとしている。
昼間円滑な足取りだった彼らも、今は徐でのんびりとしていた。
長｢あっという間に感じたな｣
仙｢ああ、Aの言う通り楽しい時は直ぐ過ぎるな｣
留｢まあこれが最後じゃねぇんだし｣
小｢明日も来るか！！｣
文｢明日は授業があるだろ｣
今の彼らは忍ではなく、まだ子供らしさが抜けない男の子。あんなに毎日厳しく生きてる彼らの、今はそんなことは考えずに笑っている姿に惹き込まれる。
もうこの記憶を、彼らのことを、忘れたくない。
一度失くしてしまったことで、その気持ちが
『本当に楽しかったよ、ありがとうみんな』
文｢これが最後みたいな言い方するなよな｣
『だってー』
口を尖らせながらも確かにと思ってしまう。
いつもの調子の言い方では、ただでさえ一言じゃ言い足りないこの感謝を伝えられないと思ったから。
仙｢思い出の作り方なんて幾らでもある。これから先も沢山楽しいことがあるだろうな｣
留｢学園生活でも同じだ。俺たちで作ろうな｣
伊｢毎日きっと飽きないくらいだよ｣
小｢やりたいことがありすぎて時間の方が足りないかもな！！｣
長｢遠慮せずやりたいことを言ってくれ｣
文｢今まで通りが帰ってくるからな｣
また少し、視界が浮いた。
『ほんとに、どうしようもなく優しいね』
落とさないように空を見上げれば、美しい空が映る。
そうやって言ってくれる所為で、あなたたちから離れられなくなってしまう。
『ありがとう』
もう何処にも行きたくないよ。
私の居場所は此処にあったんだ。
末永く
彼らと笑っていたい＿＿＿＿＿。
それが私の、偽りない
終
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作者名：ピーナッツ | 作成日時：2023年11月20日 7時
