惑 ページ27
先程までの私の戦意は何処へ行ってしまった…?
敵を前にして何をしている…?
自分が起こしている行動なのに、まるで動かしているのが自分ではないかのように、自分に自分で首を傾げてしまう。
誰を信じればいい
私は八方斎様を信じたい
騙されているなんて、信じたくない
私を騙すのはどっち………?
文「お前は八方斎に騙されている…!!」
八方斎「せっかく上手く信じ込ませたのに台無しになるだろうがっ!!!!」
『え…………?』
八方斎「っあ……!!」
『…………………………は、…………八方斎……様…?』
私は上から降ってきた声に、殴られたような感覚を覚えた。
意味を考えたくなかった。
そんなわけない、有り得ないと思いながらも、私の頭は意味を殆ど理解して、私に現実を見せてしまった。
何故なら執拗に彼らが叫んでいたことと、重なってしまったからだ。
そして今、八方斎様の口から出たことが更にそれを確信に持っていった。
『何を仰って……』
八方斎「ち、違うぞAっ!信じ込ませたと言うのは、その、六年生らのことで、決してお前のことなどでは…!」
あの言葉は厳しい怒鳴り声から運ばれていた。本音をありのまま吐き出したような。
八方斎様のその後の言葉は、私が思惑している間に消えていった。
『………八方、斎…様…………なん、て……』
次を言おうとした時、八方斎は言葉を切った。
切ったというより、切られたと言った方が的確だろう。
八方斎は焦燥によってできた隙間に入られ、気付けば喉元に苦無を当てられていた。
山田「吐け、八方斎。お前の陰謀を、真実を、全て今此処で、彼女の前で吐け」
八方斎「や、山田伝蔵…っ」
悔しそうに歯を食いしばる。脅しをかけられていながらも、まだ八方斎は直ぐには吐かなかった。
八方斎にとって今回が絶好の機会だったのだ。それを自分で壊せと…?
悔しさで汗を垂らし、山田先生の目線から外れた。
その先に居たのは
私だった______
八方斎「__…儂はお前を騙していた。忍術学園を悪いように言えば、記憶の無いお前は儂らを信じ、共に戦ってくれると思ったからだ」
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ごめんなさい、まさかのタイトルを書き忘れていました。
お話の1話に一瞬戻って確認してみてください(任意)。
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作者名:ピーナッツ | 作成日時:2023年11月20日 7時