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八方斎「甘く見るんじゃないぞ餓鬼共。儂が育てたAは今や最強のぶき…いや、仲間。手を出そうにも出せないだろう」

留「何が育てただっ!!」

文「騙して洗脳しやがっただけじゃねぇかっ!!」

八方斎「騙すぅ?儂は只、儂が思うままの忍術学園を話したまでだ。個人の意見としてな」


其の言葉に額に青筋を浮かべた。

飛びかかろうと踏み出した時、Aが形振り構わず前に出ては足止めした。丸腰の上、縄で縛られている状況での行動に唖然とする。


『相手は私っ!!八方斎様に近付かないでっ!!』

伊「A…!お前は僕らと同じ、六年生だ!!」

『まだそんなことを…っそんな嘘」

小「じゃあお前が着ているその着物はなんだ!!」


私の言葉を掻き消した投げかけに、思わず自分の着物に視線を落とした。

深緑の装束。私が初めドクタケに来た時に着ていたという唯一の私物。

そして次を言われた時、知ったのだ。


仙「お前の着物と私たちの制服。色が同じだとは思わないか」


目だけで彼らを見渡した。

本当に、似ていた。

敵に指摘されたこと、気に食わないが、確かに彼が言う通り同じような色をしているように見えた。


『………………偶然だよ。同じなわけない』

小「違う!!同じだ!!私たちは此処で過ごした仲だ!!その着物が証だ!!」

『違う…!!私があなたたちと同じなわけない!!仲間なんかじゃない!!』

仙「何を根拠に私たちを敵と見ているんだ…っ」

『…世を乱す人を許さない』

『平穏な日々も、悪者の所為で崩れて台無しになってしまう。正気に戻るのはそっちなんじゃないの。安寧を奪おうだなんて絶対許さない』


何度不適合者はドクタケだと叫んだことか。

それらは一切合切届きはしなかった。

八方斎が口を挟む度に彼女の物言いが更に辛辣になった。


『あなたたちが可哀想。本当に卑劣なのは先生なのに』


子供たちを黒く染めているのが先生だと言うことを、私は教えていただいた。

彼らだって本当は真っ当に生きていたかもしれないのに、教師が道を外させた。

それを彼らに言えば、顔を暗く重くさせた。


仙「この学園が世を乱していると言うのか」

『普通ならまだ楽しい時間を、真っ直ぐな人生を過ごしていた筈なのにね。一度染まってしまったら、その色は中々抜けないものだよ』

文「染まっちまってるのはどっちだよ……っ」


悔しそうに吐き捨てる声は届かない。

過→←恐



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作者名:ピーナッツ | 作成日時:2023年11月20日 7時

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