【忍たま】ちょっと夢見てきます。14 (ページ22)

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恐ページ22

『私は親を失くした衝撃で記憶を失ったんですって…！川でなんか溺れてないの！』

『……っ嘘吐き…何にも知らないくせに』

小｢本当だっ！！学園長先生の使いに行った日、お前はそのまま帰って来なかった……ドクタケがお前を助けたのは事実だ…しかし今お前を縛っているのもドクタケだっ！！！｣

私は笑うのをやめた。笑えない程呆れたからだ。
作られた即興の嘘に心底呆れてしまった。

『目的は何？どうせ女だから、簡単な嘘で騙せるって思ってるんだ』

『何れ私を殺すなら……さっさとそうすればいいっ…！！騙されて死ぬなんて、絶対に嫌だっ！！』

伊｢そんなこと…言わないでくれ…！微塵もお前に酷いことをしようだなんて思ってない…只、助けたいんだよ…｣

『なに、、それ…………怖い…………っ』

何が怖い？

彼らが怖い。

いつまで経っても変わらない叫び。いくら振り払ってもしがみついて、揺るがない瞳から私は目を逃がす。

長｢A……また始めからでもいい…初めて会った時のように名前を呼び合い、一から友としてやり直そう｣

『だから…！ｯ…………私はあなたたちを覚えてない…友達なんて居ないし、要らない……』

仙｢………痛むのか｣

『あなたたちの所為だ………』

何か言われる度に辛くなった。

『何を言ったら諦めてくれるの…っそもそもなんで頭が痛いの…此処に来てから、あなたたちに会ってから、ずっと調子が出ない…』

小｢諦めるわけないじゃないか。私はまたお前に名前を呼んでほしいっっ！！｣

苦無が手を離れ、地面に触れようとしている。気付いた時にはとっくに足元へ落ちていた。

『しまった………っ』

身動きは取れない。
話なんてどうでもいい、する気も聞く気も無い。

早く拾わないと…じゃないと…

八方斎｢A！！｣

その時八方斎様が顔を出した。

でも、助けは借りたくないのです…私がここまで大きくした事。自分で片付けてまたあなたの前に戻りたい。

ごめんなさい、まだ何もできていなくて……
力になりたいのに、私はまだ未熟でした。

『八方斎様…！っごめんなさい…上手くできなくて…、でも、必ずやり遂げますから…っだからどうか、』

どうか見捨てないで

八方斎｢分かっている。頑張れAーっ！｣

応える為、私は姿勢を改め周りを睨みつけた。

それは六年生も同じ。

野獣のように目を光らせる六年生を見るなり、八方斎は高笑う。塀の上から高みの見物で見下ろした。