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ページ18

留「目を覚ませっ……!!」


ギリギリと金属が擦り合う音と、私の名前が耳に響く。


『…どうして私の名前を呼ぶの』

留「当たり前だっ…」

留「友達じゃないかっ!!!」

『…とも……』









____ キーーンッ _____









留「なんだ…?」


突然Aから勢いが消え、留三郎から引いたことに其の場に居た全員が止まる。


『っ、…うぅ…』



耳鳴りがする……耳が…五月蝿い……



『痛い…っ頭が……ッ』


身を後ろに蹌踉めかせ、苦無を持たない左手で頭を抱える。

経験したことのない頭痛。まるで拍子を刻むように、頭を絞られるような痛みが私を襲う。


留「大丈夫か『近付かないでっ!!!』


頭を庇いながら強い視線を突き刺した。
頭痛くらいで怯んでいるわけにはいかない。そんなものに負けていたら、彼らに勝つことなど不可能だ。


文「ッッ」


地を蹴るとまた別の一人に鎗で封じられてしまった。


留「文次郎っ!!」

文「A…っ早く思い出せッ…」


本当にAなのか、身をもって疑った。

細い腕からは計り知れない圧力が滲み出て、俺を見上げる目付きに気が引きそうだ。


文次郎の目に懐を探る彼女の手が映る。



文「なッッッ」


忍ばせていたもう一つの苦無を上げるが、鎗から手放した片方の手によって空中で止まる。


どうすればいい…只力を込めるだけじゃ男には敵わない。


Aの目に微かな迷いが生じたことに、文次郎は気付いた。


文「もうやめてくれ…っ俺はお前と戦いたくない…!!」

『は、忍術学園を攻めに来た私と、どうして戦いたくないだなんて言うの?』


彼は悔しそうに歯に力を込める。
私を殺したいに決まってる。だってそうでしょ?
自分たちを討ち取りに来たのに。


でも不思議に思う。

さっきから前者と続き、私の攻撃を防ぐばかりで攻撃を仕掛けてこない。


『あっ…!』



一瞬で後ろに飛び、私と彼の前に距離ができた。


避けられた。


隙のありそうだった鳩尾に膝蹴りを食らわそうと思ったが、瞬発力が高い。
鍛えられた洞察力、反射神経。微かに動いた下半身に気付き、地面を蹴ったのだ。


舐められてるなど癪に触ると立腹したが、私も相手を蔑んではいられない。愚かさから自分に舌を打った。




“敵を軽んず“

伝→←愕



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作者名:ピーナッツ | 作成日時:2023年11月20日 7時

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