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『私が強くなれたのは、八方斎様やドクタケの皆さんのお蔭です』
八方斎「そうか!お前の頑張りも感じられる。今日は頑張ってくれ!」
『はい!』
制服を受け取り、八方斎様は「門前で待っている」と戸を閉めた。
風「八方斎〜どうしてAちゃんにあの制服を渡したんですか?」
雨「そうですよ〜せっかくドクタケの仲間になったのに」
廊下で待っていた二人が八方斎に疑問を漏らす。
八方斎「面白そうではないか」
風、雨「何がですか?」
八方斎「仲間
雨「成程!敢えてあの制服で行って、奴らの精神から抉っていくんですね!」
風「八方斎様さっすが〜!」
八方斎「そうだろそうだろ?お前たちも準備しろ。出陣だ!」
・
久しぶりに見たこの制服に着直した私は、まじまじとこの姿を己の目で見ていた。
何処の忍者の制服なのか覚えていない。八方斎様はそれは教えてくださらなかったな。
私の中には疑心が多すぎる。
『私は何処から…』
私は本当に忍者なのだろうか。
私は強いと言えるだろうか。
『いやいや、八方斎様が言うのだから』
そんな自分自身に首を振る。
『さ、八方斎様が待ってる』
気を引き締め、お城の外へ出た。
『あれ、八方斎様。失礼ですが人数が少ない気がするのですが、』
攻め入るにはやけに少ないと思った。
そこに居合わせたのは八方斎様の他に、風鬼さん、雨鬼さん、霜鬼さん、雲鬼さんの四人だけ。
八方斎「ああそうだ。表へ出るのはな」
『と言いますと』
どうやら他は後ろで待機ということで、ここぞという時に出るらしい。あまり最初から大勢で出てしまうと、目立ってしまうからだと八方斎様は仰る。
八方斎「心の準備は大丈夫か?」
『勿論です』
八方斎「よし。いざ、忍術学園へ!」
皆さんの声に私の声も交え、ついに忍術学園へ足を運んだ。
_
森を抜け、道無き道を進んだ。
目の前に広がる漆喰の壁。正面には門が佇んでいた。かなり広い敷地に思える。
此処が忍術学園らしい。
特に声が聞こえることも無く、辺りは静かであった。
八方斎様が口を開き、私は其方に目をやった。
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作者名:ピーナッツ | 作成日時:2023年11月20日 7時