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優「あっ!
望といえば、この前の席替えで、私が一番後ろの席に当たった時、あいつ、自分が教壇の前の席になったからって、
”俺の席とお前の席を交換するか、校内中の空き教室の掃除を手伝うか、どっちがええ?”
て聞いてきてん!
なんでいちいち究極の選択にしてくんねん!」
しかも、空き教室の掃除って、いつも授業中、居眠りしてる望に先生が与えたバツやん…。
『ほんまそれ!
望の悪魔の選択な!笑
結局、自分有利の選択肢やん?
うちもこの前、そんな感じで弁当と食いかけのパン交換させられてん……。
食いかけとかいらんわ!』
優「まじでっ?ww
そんなことあったん?w
ウケるんやけどww」
『誰かあいつに常識を教えてあげてくれへんかな?』
優「それな!
あ〜、ツボったww」
望ネタでしばらくの間腹を抱えて笑ってから、うちは自分の席に行き、リュックを机の横にかける。
その時、教室の後ろのドアから苦手なやつの声が聞こえてきた。
「Aせんぱあ〜い!」
声の主がすぐにわかったうちは、扉の方に恐る恐る顔を向ける。
やっぱり……。
そこには、1年の永瀬廉がおった。
廉は学年1のチャラ男で、中学からの後輩。
そしてうちはこいつに5回も告られていて、すべて断ってきた……。
なのに…めげずにこうやってうちの教室にやってくる。
『おはよ…。』
うちは引きつりながらも、一応笑顔であいさつをする。
廉「おはようございますぅ!
昨日の昼過ぎに教室きたんすけど、いんかったから心配でしたよ!
撮影すか?」
そう言うて教室にズカズカ入ってきて、うちの机の前にしゃがむ。
『うん。なんか用やった?』
うちは廉の顔を見ずに聞いた。
廉「はい!
昨日発売した”wee”買ったんすよ!」
廉は”wee”をうちの前に出してきた。
今月号の表紙はうちやから、笑顔の自分と目が合う。
『…ありがとう…』
はずかしくてら雑誌から目をそらした。
廉「超可愛くないすか?
俺、3冊も買っちゃいました!」
廉は雑誌を自分の顔の前に戻して、ニヤニヤしてる。
そんな廉の背後に望が現れて、廉の頭を叩いた。
廉「いてっ!…ってのんちゃんやん!」
廉は頭を片手で押さえ、望を見る。
「….お前はまた懲りずにようやるな」
目を細めて望を見下ろす望。
中学のとき、2人はサッカー部で、うちはそのマネージャーやった。
望はいつも、うちを困らせてくる廉から助けてくれたっけ。
それは今も変わってへん。
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なーちゃ - おもしろいです!続き楽しみにしてます! (2015年1月16日 23時) (レス) id: e1246c23a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しーくれっとひなんちゅ | 作成日時:2015年1月4日 0時