WEST~小瀧さんとの秘密な約束~ (ページ22)

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うちは一応顔バレしてるので、帽子とサングラスをかけて、みんながいる、隠れ家的なお店に入っていった。

智「Aちゃん！やっぱ女の子がおらんと始まらへんよなぁ」

智洋くんが言うと、流星くんがうなづいた。

『…あれ？大毅君は？」

望「あぁ、女から電話きて、外行ったで」

望に言われて、一瞬、優香子の顔がよぎった。

優香子が知ったら悲しむやろうなぁ…。

帽子とサングラスを取り、座敷に上がって望の隣に座る。
『なぁ、大毅君って、女関係どうなん？」
望「はっ？優香子と付き合ってるんちゃうん？」
『えっ？うち、聞いてへん！』
流「そりゃかわいそうに…。ほんまに友達なん？」
流星くんが横から茶々を入れてきたから心配になって、携帯をチェックする。
『あっ！優香子からLINE着てた！ほら！』

うちは望と流星くんに携帯を見せた。

”昨日大毅くんに告ってOKもらって、付き合うことになったで～♡”と書いてある、優香子からの報告。

望「必死すぎw」

望はウーロン茶を飲みほして、タバコに火をつけた。

『…あっ!! タバコなんてあかんやん』
うちがタバコを取り上げると、望が慌ててうちの手をつかんでくる。
望「危ないやん！大丈夫かよ？』

うちの手を見ながら眉を顰めた。

『大丈夫…』

望の行動にドキドキしていると、流星くんが笑いながらとんでもないことを口にする。
流「ほんま、望はAちゃんのこと、好きやんなぁ～』

その言葉に、一瞬店の中が静まり返る。
今…なんて言うた!?

隣におる望を見ると、望はテーブルの片方の肘をついて、頭を抱えていた。

大「お待たせぇ！」

電話を終えた大毅君が呑気に座敷に上がってきて、気まずい雰囲気に気がつく。
流「俺…やばかった？」

流星くんは智洋くんに目を向けた。

智「今のはやばいな！」

一気に重くなる空気。

なんだかものすごく居づらいんやけど…。

『うち…ちょっと外の空気吸ってこよかなぁ…』

立ち上がろうとするうちの腕を、望が掴んだ。

望「…。」
望は流星くんたちを無言で睨みつける。
流「俺たち、先にホテル戻ってるわ…」

流星くんが、智洋くんと大毅くんに目で合図をしている。
『えっ？来たばっかや…』

うちが引きとめようとすると、望が腕をつかむ力を強めた。

な、なになに!? …うちはどないすればええの???