路上ライブで拾った恋【小瀧望】 (ページ2)

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LiveLove02 ページ2

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私の足取りは、会社の近くの駅前へと向かって行った。

徐々に見えてくる多数の人影と、

風と共に流れて来る、
綺麗な音色を出すギターの音が聞こえた。

いつもは、17:00からライブをやってるんやけど、

今日はちょっと早いのかな？

今日もあなたは、ここにいた。

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私は、毎週会社の近くの駅で路上ライブをやっている男の子に

恋に落ちた。

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………かもしれへん。←

いや、まだ分からへんねん。

でも、この人の事考えるとドキドキして、
この人の歌声を聞くと、胸がギュって締め付けられる。

アコースティックギターを片手に、
今日も綺麗な歌声を醸し出す彼。

名前は、小瀧望…らしい。

彼は、シンガーになりたいらしく、

ここで路上ライブをしている。

夢に向かって頑張っている姿。

何と言っても、透き通った綺麗な歌声。

コロコロ変わる惹きつけられる表現力のある表情。

すらっとしたスタイル。

整った顔。

私は、彼に完全に心を鷲掴みされているのであった。

路上ライブの割に、彼の周りには
いつもたくさんの人だかりがいる。

いつも、一番後ろの人の隙間から眺め、
元気をもらっている。

小瀧くんの歌で、がんばろうって思える。

小瀧くんの路上ライブを糧にしている自分もどこかにおるし、

多分、小瀧くんがおらんくなったら、

私は死んじゃうと思うんだ。

…真面目に。←

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望「今日もみなさん、たくさんお集まり頂き
ありがとうございます！」

響き渡る大きな拍手。

望「僕は、メジャーデビュー、武道館でライブを目標に
えー、走り続けてる？ん…？走り……続けてる…？
なんて言ったらええんやろ！わからん！笑」

くしゃっと笑う小瀧くん。

…かわいい。←

望「まあまあとにかく！
毎週ここで、路上ライブをさせてもらってます。
俺の歌が少しでもええな～って思ってくれたら、
また来週ここに来てください！」

終始沸き起こる観客の笑いの中、

彼はにこにこ笑顔を浮かべて続ける。

望「もちろん！動画とか写真とか
全然撮ってSNSに拡散してもらってOKなんで！
よろしくお願いします」

また拍手が沸き起こった。

小瀧くんはね、一切お金を取ったりせんの。

純粋に自分の歌声を聴いてもらいたくて
ライブをやってんねんな。

そういう綺麗な心も惹かれた理由。