黒色の紅一点。〜west〜

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半年前の2015年のある日。






久しぶりに一人暮らしの私のマンションにお母さんが来た。





お母さんが帰るとき「明日、11時にここに行って来てな。」と1枚の紙を残していった。






なんで行かなあかんのかも教えてくれへんくて翌日、渡された紙に書かれた住所へ向かった。







もちろんこの頃はジャニーズ事務所ということは知らずに。






目的地に行くと急に誰かに話しかけられた。









？「ねぇYOU。もしかしてここに用？」






『えぇ、まぁ。』







？「案内するよ。」








ここの清掃員の人？と思ってたけど後でこの人がジャニーさんということを知る。







案内された部屋には何人かの女の子。






そして……ずっと会いたかったジャニーズWESTがいた。








なぜ？









「それではただいまより最終オーディションを行います。」








オーディション？






何の？








私の渡された番号札は12番。






1番最後の番号だった。









女1「草津美雪です。21歳で出身は神奈川です。今はジムで働いています。」







中「じゃあ1曲、歌ってもらえる？」









女2「京都出身、星野楓です。今年で23です。」









さっきからみとったら出身、名前、年齢言うて歌、歌ってるやん。






しかも皆うまいし可愛いし。









私どうしよ。






歌には自信なし、ブスやし。









「最後に桜木なつきさん。」







『……はい。。』









私は状況が曖昧な中ジャニストの前に歩いていく。









中「じゃあ自己紹介してくれる？」







『……兵庫県出身、桜木なつき。今は19歳で大阪に1人暮らしで大学に通ってます。』







中「大学ってどこの？」








他の子にあんまり質問せーへんかったのに……。







『一応、関学です。』








藤「まじかよ。」



小「一応は取っとった方がええで。」









中「ほんなら1曲歌ってくれる？」








何を歌えば……。




ふと頭に流れたメロディーは








『二人歩く帰り道 嬉しそうに君が笑うから……』









シルエットだった。

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