感音性難聴を抱えるキミ。 ＃WEST

No.18 ページ18

▼





次の日＿＿。





教室に入るとすでになつきの姿が見えた。






小「おはよ！」






『あ、おはよ。』







肩をポンポンと叩いて挨拶をすると少しﾋﾞｸｯとして


振り向き俺やと気づくと笑顔で挨拶してくれる。






小「神ちゃん達まだ来てへんねんな。」






といつも話すようになつきに話しかけるとなつきは気付いていないのか返答なし。






そっか。。





こんな賑やかな教室やったら聞こえんのかもな。







そう思って今度は耳元で話してみた。






小「神ちゃん達まだ来てへんねんな。」






『ひゃっ！』







するとなつきは結構高い声を出す。






『もう〜。』







小「ごめんって。でもこっちの方がええかなって。」







『まぁ、こんなうるさかったら聞こえないか。』







「あー、びっくりした。」とカバンの中から教科書とかを取り出すなつきを見ていると


自然と笑えてきた。






小「そうや！今日、どっか行かへん？」






『いいよ。』






小「じゃあ買い物しにいこ！」







『望、女の子みたいだね。』







樋口さんって呼んでたときには見せなかった笑顔。







神「おはよ。」






重「うっす！」






藤「ねむ〜。」







『おはよ。』







小「あんな〜さっきなつきと買い物行く約束してん！」






重「お前らだけずる〜。」







小「いやいやいや。重らも一緒やろ？」






そんな他愛もない話をしている俺らを見て


周りにおるクラスメイトは驚いとった。







それを見て俺はいや、きっと重らも少し嬉しかった。

No.19→←No.17　新作

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す