No.11 ページ11
○
放課後、クラスの皆は部活や塾で教室を後にし、残ったのは私を含めての5人だけだった。
誰も居なくなったのに、彼らは話題を持ち出そうとはしない様子だった。
きっと、私に気を使っているんだ。
そう思い、私から話を切り出した。
『……私を教室に残らせた理由って、、これですよね。』
そう言って私は髪の毛を耳にかけ補聴器を見せた。
重「もしかして樋口さんって、耳、悪いん……？」
重岡さんは控えめにそう言った。
『感音性難聴……って知ってますか。。……まぁ、知らないですよね。』
耳の聞こえる健聴者には縁のゆかりもないような言葉かもしれない。
私は話を続けた。
『私は高校1年生の夏に交通事故に遭ってそれが原因で耳が悪くなりました。
しかも低音域に残存聴覚が残ってる感音性難聴だったので基本、
私は男の人の声しか聞こえません。女の人の声は高くて聞こえないんです。』
重岡さん、藤井さん、小瀧さんは「知らなかった。」というような顔をしている中、
神山さんだけは少し違った。
神「もしかして……樋口さんが喋らへんのって、男の声しか聞こえらんから、
女にとっては「女とは喋らんのに男とは普通に会話するんや。」みたいに
思われるんが嫌やから？」
神山さんは私が喋らなかった理由を明らかにした。
私は静かに頷く。
『だったら喋れないって思ってもらった方が楽ですし。』
そう言うとなぜか小瀧さんは寂しそうな顔をした。
そして、彼が言った言葉＿＿＿＿。
小「なぁ、これからはさ、俺らと一緒におらへん？」
この言葉が、この一言が、私の真っ黒だった日常を虹色の世界にしてくれたんだ。
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Natsuki.(プロフ) - 瑠羽さん» ありがとうございます(´・ω・｀) (2019年1月18日 19時) (
レス) id: fc34ae248f (このIDを非表示/違反報告)
瑠羽(プロフ) - 続きが気になります！！更新楽しみにしてますね！ (2019年1月18日 0時) (レス) id: 5705909fe2 (このIDを非表示/違反報告)
Natsuki.(プロフ) - すーさん» ありがとうございますヽ(´▽｀)/冬休みに入ったので時間を見つけて更新できたらと思ってます。 (2018年12月22日 22時) (レス) id: 9375bd1971 (このIDを非表示/違反報告)
すー - 続きみたいです！更新待ってます！ (2018年12月22日 10時) (レス) id: bace7ae54d (このIDを非表示/違反報告)
Natsuki.(プロフ) - みなみさん» ありがとうございます！ (2018年10月18日 23時) (レス) id: dd91e9a9c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Natsuki. | 作成日時：2017年10月1日 1時
