20話 ページ21
・
信じられない。
見たことあるよね?
ダンボールに立ってる女の子。
Aちゃんにそっくり。
でも、幽霊…だよね?
トミー「Aちゃんごめんね、ありがとう」
『あ、いえいえ!こちらこそありがとうございました!』
何で会話してるの…?
トミーは幽霊見えないよね…?
「Aちゃ……」
『かんたさんっ』
ダンボールを出て俺に触れようとする彼女。
触れようとしたんじゃない。
触れたのだ。
俺のことを、抱きしめた。
「Aちゃん、Aちゃん…」
『かんたさん、私はここにいますよ』
会えなかった彼女は、人間だった。
初めて抱きしめた身体は細いけど柔らかかった。
初めて触れた肌は温かくてサラサラしていた。
「ずっと抱きしめたかった」
『私もですよ』
お互いの存在を確かめあった。
ずっと抱きしめていた。
Aちゃんから心臓の音が聞こえた。
生きていた。
思っていたよりも大人で落ち着いている彼女の雰囲気は、俺を包み込む。
『ずっと、この時を待ってました』
「俺も、ずっと…ずっと触りたかったよ。でもどんだけ願ったとしても叶わないと思ってたよ」
信じきれない俺は、身体の震えが止まらない。
そんな俺を落ち着けようと抱きしめてくれる彼女は笑顔だった。
大丈夫、大丈夫、と背中を撫でるその小さい手はどんな手よりも暖かかった。
『ねぇ、かんたさん』
『大好きだって、言っても…怒りませんか?』
抱きついたまま、顔だけをあげて俺に問う。
勿論答えは決まっていた。
「Aちゃん、」
「大好きだよ」
そう言って、
触れられなかったはずの彼女にキスをした。
…end
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←19話
84人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
漆黒の翼をもつカリスマことレミリア・スカーレット - 投稿頑張ってください。応援してます更新楽しみにしてます! (2018年4月28日 18時) (レス) id: 64fa08433d (このIDを非表示/違反報告)
まのん(プロフ) - こまめさん» ありがとうございます;;;;切なさを精一杯表現していきますよろしくお願いします! (2018年4月20日 23時) (レス) id: 240d3919d8 (このIDを非表示/違反報告)
こまめ(プロフ) - 素敵で切ないです(;o;)これからも楽しみにしてます♪ (2018年4月20日 23時) (レス) id: 15ff708b95 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まのん | 作成日時:2018年4月14日 3時