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11話 ページ12

Aside




私は動画を見てお母さんという存在を忘れたかった。

だって同じ屋根の下にいるんだよ?

…それくらい私はお母さんが嫌いだ。

お母さんだって私のことは嫌いなはずなのに、何でこの家にきたんだろう。

もう来なくていいのにな。


トミー「砂丘で始まったかくれんぼ範囲広すぎん?」

カンタ「ええ?wwww」


スマホの画面の中で水溜りボンドさんは笑っていた。

それだけなのに視聴者をも笑顔にするという…凄い力だよね。

私には無理だなぁ。


時刻はもう夜の中頃。

昼夜はご飯を食べずに過ごしていた。

リビングに行きたくなかったから。


母「Aちゃん?!」


階段の下からお母さんの声がする。

私を呼んでる。

気づかないふりをすればいい、とその時は思っていた。

そのまま無視を続けた。

ずっと水溜りボンドさんの動画を見ていた。


母「Aちゃん!!?」


私の部屋のドアを開けて入ってきたお母さん。

物凄い顔をして包丁を持っていた。

もう今更どうしようもないんだけど。

素直に言うことを聞いておけばよかった。


母「やっと死んだかと思ったのに」

『……』


いつもそればっかり。

死んでって何度も言われてきた。


母「もういい加減にしてよ…」

母「お母さんの荷物にならないで?」


そう言いながらジリジリと私に近寄ってくる。

包丁の刃をわたしに向けながら。




母「死ねないならお母さんが……



殺してあげるね。」



痛くないよ、と笑顔で私に詰め寄るお母さんはいつものように怖い笑顔だった。

水溜りボンドの動画を見ていたスマホは手に持ったまま、私は部屋の隅へ逃げた。

動画の音が響く部屋で私とお母さんは対立していた。

怖かったけど、もう仕方ないことだもんね。


母「……ッ」


私はお母さんを殴った。

相手は武器を持っているから刺激したら殺されるのは分かっていた。

それでも、殴らずにはいられなかった。

今までの恨みを込めて。


母「アンタ……ッいい加減にしなさい!!!」

『ッ?!う、!ぁ…!!』


お母さんが手に持っていた包丁で私は刺された。

全身の力が抜けた私は手に持っていたスマホを床に落とした。

そうして、私も倒れ込んだ。

ただでさえ刺されたところは痛いのに、最期までお腹を蹴られ続けていた。

でも私の最期の記憶は、


母「また、こんなもの見て…クソ娘が」


私のスマホを踏み躙るお母さんの姿だった。

その時も、水溜りボンドさんの動画の音声が響いていた。

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漆黒の翼をもつカリスマことレミリア・スカーレット - 投稿頑張ってください。応援してます更新楽しみにしてます! (2018年4月28日 18時) (レス) id: 64fa08433d (このIDを非表示/違反報告)
まのん(プロフ) - こまめさん» ありがとうございます;;;;切なさを精一杯表現していきますよろしくお願いします! (2018年4月20日 23時) (レス) id: 240d3919d8 (このIDを非表示/違反報告)
こまめ(プロフ) - 素敵で切ないです(;o;)これからも楽しみにしてます♪ (2018年4月20日 23時) (レス) id: 15ff708b95 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まのん | 作成日時:2018年4月14日 3時

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