YouTuberの恋？【水溜りボンド】 (ページ13)

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11話ページ13

カンタSide

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「ユリちゃーん」

『なんですかー？』

「何作ってんの？」

『ないしょー』

エプロンをつけて、俺に笑いかける姿は可愛くて見とれてしまいそうだった。

もしも結婚とかしたらこういうのが当たり前になるんだろうなぁ。

…何考えてるんだろう俺。

女子高生相手にそれはやばいって。

『あ、カンタくん』

不意に名前を呼ばれてどき、としたもののいつも通り、どうした？と答えた。

『ゴミついてますよっ』

そう言った彼女は俺に近寄って、髪の毛に付いていたらしいゴミを取ってくれた。

近い…近い近い…うう…

たった一瞬指が俺の肌に触れただけで、その部分からじわ、と熱くなってくる感覚がある。

恥ずかしいだけ？

…いやそんなわけない。

だってこんなに胸が高鳴っているのに、それを無視するなんてできないから。

気づいたからにはもう隠せないよね。

好き。

俺はユリちゃんのことが好きだ。

『さて、つーくろっ』

この可愛らしい後ろ姿を独り占めできたなら、

なんて考えてしまいそうだ。

あの揺れる髪、あの艶やかな唇、あの華奢な身体に触れたくてたまらない、

…なんてこと考えちゃいそうだな。

やっばいな俺、ド変態じゃん…。

あの小さい背中を抱きしめたい、なんて言わないけどね？

でも、トミーがユリちゃんのことを好きだって言ったとしても、譲る気はさらさらない。

俺のユリちゃんになってほしい、なんて気持ちは持ちたくないけど…それでも誰かと付き合って欲しくない。

今彼氏がいるのかすら知らないんだけどね。

いてほしくないなあ。

付き合って独占したい、なんて思わないこともない。(笑)

何で俺って自分の気持ちに正直になれないんだろうな。

「ねぇユリちゃん」

『はーい？』

俺は料理をしているユリちゃんの元によってこう言った。

「Aって、呼んでもいい？」

俺にとってはこれだけでとても勇気がいることで、進展の第一歩だと思ったのだ。

顔赤くなってないかな、大丈夫かな。

ユリちゃんの表情を見るのが怖くて、俺は下を向いている。

どんな顔で俺を見てるのかな。

『いいですよ！ってそんなこと聞かなくてもいいですけどね』

そう言って彼女は笑ってくれたのだ。

料理を作りながら笑う彼女はどう見ても恋人みたいで、そんなことを少し考えてしまって照れてしまいそうだった。