19話 ページ19
寛太Side
・
ドアの前で立ち尽くしていた俺は、
出てきた人とぶつかってしまったようだ。
『わっ！？』
「あ…っぶな」
俺とぶつかり後ろによろけたAの腕を
持ち、まっすぐ立たせた。
「ごめん、怪我ない？」
『あ、う、うん…大丈夫』
元気のない笑顔を見てると悲しくなってくる。
いつも彼女は元気で明るいイメージだった。
ﾄﾐｰ「…寛太」
Aから目線を外すと教室の中が見え、
そこにはトミーが立っていた。
苛立ちを少し見せた表情の彼は、
少しずつこちらに近づいてくる。
咄嗟に俺はAを背後に隠した。
「トミー…」
彼の名を呼ぶと頬に痺れるような衝撃が来た。
一瞬俺は何が何だか分からず固まった。
でもすぐに分かった。
殴られたんだ、俺。
『さ、佐藤…？富永…？』
後ろから女の怯えた声が聞こえる。
情けないな俺。
ﾄﾐｰ「寛太お前さ、」
ﾄﾐｰ「付き合う気ねえならとっとと離れろや」
ﾄﾐｰ「本当に邪魔なんだよ…」
ﾄﾐｰ「Aが好きな奴は皆そう思ってんだよ」
殴られ、じわりと痛みが来る頬を抑えながら、
彼の方を見ると涙を流していた。
俺の口元は生暖かい液体が伝う。
ﾄﾐｰ「俺は本気でAが好きなんだよ」
ﾄﾐｰ「なのに何で、」
ﾄﾐｰ「お前に邪魔されなきゃなんねえんだよ」
ﾄﾐｰ「お前が今一番失いたくないのは何だよ」
ﾄﾐｰ「お前にとって一番の女は誰だよ！！」
怒鳴られ、胸ぐらを掴まれる。
ここで俺は気づいた。
俺が今一番失いたくないのは、Aだ。
一番の女は、Aだってこと。
…いや、
気づいてて知らないふりしてただけだ。
女なんか好きじゃないし、
興味ないし面倒だし、
むしろ嫌いな部類だった。
それでも俺は、
「…ごめん、俺」
「Aが…好き」
Aのことを好きになってしまった。
トミーの目を見つめてそう伝えると、
彼は笑顔になって
ﾄﾐｰ「言う相手は俺じゃねえだろ」
って言うんだ。
俺の胸ぐらから手を離して彼は教室を出た。
今はAと二人きりだ。
『…？！ねぇ！！血出てるって！！』
彼女は俺の前に来るとそう言った。
切れた唇から、
生暖かくて真っ赤な血が出続けている。
顎にまで伝った血は下に垂れてしまっていた。
「気にしなくて大丈夫だよ」
俺はそう言って制服の袖で拭った。
『馬鹿じゃないの？』
彼女はそう言って俺の手を引き走り出した。
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まのん(プロフ) - 山下。さん» 本当ですか！！？ありがとうございますー！！これからも頑張りますのでよろしくお願いします！！ (2018年2月10日 4時) (
レス) id: 240d3919d8 (このIDを非表示/違反報告)
山下。(プロフ) - カンタがかわいすぎて尊い…笑 このお話すごく面白くて、更新がいつも楽しみです！頑張って下さい！！ (2018年2月9日 23時) (レス) id: f4c7c85bd9 (このIDを非表示/違反報告)
まのん(プロフ) - Ｃさん» ありがとうございます(´；ω；｀)これからも頑張りますのでよろしくお願いします！！ (2018年2月8日 17時) (レス) id: 240d3919d8 (このIDを非表示/違反報告)
Ｃ - めっちゃニヤけますwこれからも頑張ってください！ (2018年2月8日 13時) (レス) id: 65bd41038e (このIDを非表示/違反報告)
まのん(プロフ) - のこのこさん» ほんとですか？！ありがとうございます！これからも頑張りますのでよろしくお願いします！！ (2018年2月8日 13時) (レス) id: 240d3919d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まのん | 作成日時：2018年2月5日 7時
