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1話 ページ1




「………だから、…で……でしょ!」


今日は、大事なリハーサルだった。

明日が本番だけどリハーサルもかなり大事な大会だった。

なのに俺は台詞を飛ばしてしまい、トミーにフォローさせるという最悪な自体に陥ったのだ。

今もそのセリフを覚えるために連呼していた。


トミー「引きずりすぎんなよ」

「うん、分かってるけど…」


トミーの言う通りかなり落ち込んでいる。

引きずりまくってる。

迷惑かけたことが辛かった。


トミー「コントはアドリブ難しいしな。でもまぁお互いがいるから大丈夫だぞ」


確かにトミーがいたから成り立たせられたんだよな。

トミーには感謝しかない。


「ありがとうトミー」

トミー「おう」


いつも通りのキラキラした笑顔。

自分の相方である事がもったいないよなぁ。

もっと俺より面白い奴いたかもしれないのに。

なんて言えば彼はカンタが最強に面白い人間だからって言うのは目に見えてる。

ミスしてからマイナスに考えてしまうな。


トミー「元気出せや」

「ごめん」

トミー「そこごめんなのかよ」


けらけらと笑ってくれる彼がいなかったら俺は今これ以上に落ち込んでたんだろうな。

…なんて考えていたら遠くから歌声とアコースティックギターの音が聞こえた。

弾き語り?代々木公園で?路上ライブ?

普段じゃ全く気が向かないものの、落ち込んでいたのもあるのか聴いてみようと思った。

音楽を聴くことが好きだから。


「トミー、あっち行こ」

トミー「弾き語り?」

「嫌なら帰っててもいいよ」

トミー「いや、面白そうじゃん」


トミーも普段は聞いてくれないはずの要望を聞き入れてくれた。

なぜか彼女の歌に惹かれる何かがあった。

そちらの方へ向かえばどんどん声がよく聞こえるようになった。

透き通る歌声で、音程も正確。

ギターが少し苦手なのかな?というくらいだった。


トミー「え…上手くね?」

「だよな?」


正直路上ライブでここまで上手い歌を聞いたことがなかったからお互いびっくりしている。

なのに観客は俺らを含めて5人くらい。

理由がよくわからない。

すぐ近くに寄れば、ダンボールに自己紹介が書かれているのが見えた。

−−

A A

青山学院大学3年生

Twitter→@____

月水金土の週4で路上ライブやってます!


−−


『あれ、はじめまして…!』


いつの間にか俺は彼女に、彼女の歌に恋をした。

2話→



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作者名:まのん | 作成日時:2018年5月16日 16時

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