21話 ページ22
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朝、7時頃。
私は目を覚ました。
何の間違いでこうなったのか分からないけれど、私は寛太くんに抱きついて眠っていたようだ。
私の胸が彼に触れている。
彼はどれだけキツかったかな。
私に好意を寄せている彼はこんなこと耐えられるのかな。
まぁ耐えてるからこうなってるんだろうけど。
『ごめんね、おはよう』
私は彼の首元に顔を埋めた。
彼の匂いがした。
短い彼の髪が私の頬に触れ、擽ったい。
1度彼から離れて、仰向けの彼に跨った。
こう見ると本当に成長していて、幼馴染の弟っていうだけの印象じゃ足りないと思う。
後輩の男の子。
それ以上でも以下でもないこの関係は何と呼べばいいのだろう。
普通の後輩には抱きついたり跨ったりしないのかな。
『全然起きないね』
跨っているのに起きない彼はどんな夢を見ているのか。
魘されているようには見えない彼はきっといい夢を見ているんだろうな。
『…寛太』
突然、寂しさを感じて名前を呼んだ。
一生起きなかったらどうしようだなんて考えてしまうのだ。
でも首元に触れればしっかり脈は動いていた。
今にも透けてしまいそうな彼は目を離せばどこかに行きそうだ。
『…ごめんね、寛太くん』
私は首元に顔を埋め、富永くんにされたようにキスマークをつけた。
富永くんと同じことをしている私は富永くんを悪く言うことは間違っているのだと思う。
それでも思い出すだけで気持ち悪くて泣きそうになってしまう。
寛太くんは怒るかな。
起きて首元にキスマークあったら驚くよね。
『ごめんね、ごめん』
私は彼を抱きしめた。
彼は、ん、と小さく声を上げた。
起きたかな、と顔を見ればまだ眠っていた。
その一連の行動で私は我に返って彼とベッドから降りた。
早く準備してしまおう。
朝ごはんはどうしようかな。
寛太くん確か最近朝ごはん食べてないよね?
要らないのかなぁ…。
とりあえずで冷蔵庫を見てみると朝ごはんらしい食材が余っていた。
ベーコンエッグと食パンとサラダにしようかな。
でも寛太くん野菜食べないよな…。
って、寛太くんのこと考えすぎ?
だけどここで野菜食べなくていいよなんて甘やかしちゃダメでしょ。
『よし!』
私は朝ごはんを作り出した。
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まのん(プロフ) - 夏花さん» 本当にありがとうございます;;;;R18フラグ立てましたがよければ続きもご覧下さい!カンタくんは可愛い生物だ! (2018年5月5日 4時) (レス) id: 240d3919d8 (このIDを非表示/違反報告)
夏花(プロフ) - 2度目のコメント失礼します。ドキドキしながら見ています。かんたくんのかわいさがとてもきゅんきゅんきます!次回も楽しみにしてます!!! (2018年5月5日 0時) (レス) id: 6bd655e2cc (このIDを非表示/違反報告)
まのん(プロフ) - 夏輝@抹茶オレさん» 大人っぽい彼らを描けていたら嬉しいなと思います!自分自身見たかったので(笑)もっともっと頑張ります!応援よろしくお願いします! (2018年4月30日 19時) (レス) id: 240d3919d8 (このIDを非表示/違反報告)
夏輝@抹茶オレ(プロフ) - はじめまして、いつも更新を楽しみにしています。他の水溜りボンドの小説とは違うちょっと大人テイストの小説、初めて見たのですがすぐに引き込まれました!新鮮でいいですね(^^)これからの展開が楽しみです! (2018年4月30日 19時) (レス) id: bad733541a (このIDを非表示/違反報告)
まのん(プロフ) - 夏花さん» 本当にありとがうございます;;;;自分の力になります!!earnestは皆さんあんまり好まれないかな...とか思ってたんですけど、夏花様のような方がいて下さって本当に助かります。ありがとうございます!これからも頑張りますのでよろしくお願い致します! (2018年4月30日 10時) (レス) id: 240d3919d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まのん | 作成日時:2018年4月23日 15時