その115 ページ26
獪岳side
『おかえり...獪岳...!』
A...?なぜお前がここにいるんだ。
あぁ、違うな。
走馬灯を見ているんだ....。
「お前のような軟弱者は、すぐに鬼にやられてしまうぞ。」
『でもその時は、獪岳が助けてくれるでしょ?』
「...っ!あ、あぁ...そう、だな。」
そうだ...お前は俺がいなくちゃ...
俺が守ってやらなくちゃ...死んでしまうぞ...。
『...獪岳!!いつまで経っても帰ってこないから心配してたんだよ!』
俺は全部、忘れていたんだ。
俺が最終選別から帰ってきた時、抱きしめてくれた先生の温もりも、俺の帰りを待っていてくれたAのことも...。
俺はずっと、特別な存在だったのかもしれない。
なのにあの時の俺は、強者になることばかりに囚われて、それに気付くことなど出来なかったんだ。
皮肉なものだな。
今さら気付いたって、なんの意味もないじゃないか。
俺の首が地に落ちる瞬間、何かがひらりと宙を舞った。
俺が最終選別に行く前、Aがくれたお守りだ。
...あぁ。
鬼になってでも生きていたかったのは、もっとお前の隣に居たかったからなのに。
強くなりたいと願ったのは、お前のことを守りたかったからなのに。
それがどうしてこんな結末になるんだ。
獪岳「A...俺はずっと...お前が好きだった」
溢れ出る涙と共に、俺の体はボロボロと消えてなくなった。
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さくら - 読ませてもらいました!とてもおもしろかったです。頑張ってください! (2020年8月13日 15時) (レス) id: 5a06be7f79 (このIDを非表示/違反報告)
ミー - 続きがとても気になります!更新楽しみにしています! (2020年7月11日 13時) (レス) id: 36dcb4ceb6 (このIDを非表示/違反報告)
ぜんいちゅ(プロフ) - ミーさん» コメントありがとうございます!鬼化によって人間らしい感情が欠如してしまった獪岳ですが、彼には報われて欲しいです(T_T) (自分で書いといて) (2020年7月11日 10時) (レス) id: 00a91bfced (このIDを非表示/違反報告)
ミー - 最終章の展開、楽しみにしています!!獪岳が鬼化した時、善逸や師匠だけではなく主人公に対しても拒絶していたので、主人公の思いは届いていなかったのか、と胸が苦しくなりました…(´;ω;`) (2020年7月11日 9時) (レス) id: 36dcb4ceb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぜんいちゅ | 作成日時:2020年7月10日 23時