その5 ページ5
Aside
台所で夕飯の支度をしている私の様子を、彼は物珍しそうにじっと見つめていた。
A「なんだか見られていると緊張するね」
「あ、ごめんね!誰かにご飯を作ってもらうのも初めてだからつい...!今日は初めてのことがたくさんで俺幸せだよぉ」
些細なことで喜んでくれる彼は、今まで誰にも幸せを貰えなかったのかな。
なんて事を考えながら、ふつふつと夕飯の肉じゃがを煮ていると、窓の外から誰かの声が聞こえてきた。
爺様でも獪岳でもない、誰かの声。
一体誰?
「や、やばい、どうしよう...あいつらが来る...!」
ガンガンガンガンッ !!!
『おい逃れ者の坊主!ここにいるのは分かってんだ!さっさと金返しやがれ!』
「どうしよう、追っ手が来た...!どうすればいい!?」
A「あの人達、名無しくんを探してるの?」
「....うん...!金貸しだ!でも俺は金なんて借りてないんだよぉ...」
ガラガラッ
.....ん?ガラガラッ?
今、ガラガラッて、え?嘘でしょ?
恐る恐る玄関に顔を覗かせると、爺様が扉を開けていた。
桑島「ほい、なんじゃ?」
A「爺様ぁあああああああ!!!!」
「いぃいいいやあぁあああああああああ!!!」
ガラの悪い金貸しを前に、鼻をほじる爺様。
その様子にさすがの金貸し達も驚いている。
と言うより、軽く引いている。
A「な、名無しくん!向こうの部屋で隠れてて!出てきちゃダメよ!」
「う、うん...!ありがとう...!」
名無しくんを匿って玄関に向かうと、金貸し達は土足で家に踏み入れていた。
『じゃあ、邪魔するぞ』
A「ちょ、ちょっと!勝手に家にあがらないでよ!」
『うるせぇガキ!』
金貸しの1人が拳を握りしめて高く振り上げたものだから、私は思わずギュッと目を瞑った。
──────あれ?
痛くない...。
恐る恐る目を開けると、私を庇うように、彼が立っていた。
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ぜんいちゅ(プロフ) - かぐやさん» わわわわ、私の血を分けます! (2020年6月17日 17時) (レス) id: 00a91bfced (このIDを非表示/違反報告)
かぐや - あ。鼻血ブッシャーー!です (2020年6月17日 6時) (レス) id: 20ac6cb932 (このIDを非表示/違反報告)
ぜんいちゅ(プロフ) - からあげさん» 鼻血拭いてください(;°□° )ありがとうございます、今後もよろしくお願いします! (2020年5月17日 22時) (レス) id: 00a91bfced (このIDを非表示/違反報告)
からあげ - ブシャーーーー(鼻血)不意打ちは卑怯ですはい 更新頑張ってください! (2020年5月17日 21時) (レス) id: 7170e0490e (このIDを非表示/違反報告)
ぜんいちゅ(プロフ) - カルナさん» 応援ありがとうございます( ; _ ; ) (2020年5月13日 17時) (レス) id: 00a91bfced (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぜんいちゅ | 作成日時:2020年4月30日 21時