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雨が降りしきる。梅雨の季節がやってきた。じめじめとするこの季節が大嫌い。
紫躍もこの時期が嫌い。
日曜日の昼に紫躍の家で雨音を聞く。
ベッドの上でスヤスヤと昼寝をしている紫躍を横目に私は雨音を聞きながら小説を読んでいた。
家の中にいると雨音も素敵なメロディーのような気がした。
「A…なに読んでるの？」
気が付くとすぐ近くに紫躍の顔があった。耳に吐息がかかりそうに近い。
「これはね、ドストエフスキーの罪と罰」
「難しそうな本」
「うん。難しくてよく分かんないや」
そういうと紫躍が笑った。
「じゃあ、読まなくていいじゃん。こっちおいでよ」
紫躍がベッドで私分の隙間を開けてそこに寝るように促す。私は持っていた本をテーブルの上に置いて、紫躍の言う通りに隣に寝そべった。
紫躍と向かい合わせになる。
紫躍が私の頭をいつものようになでる。
これはキスをこれからしますよって合図。
私が目を瞑ると紫躍が優しくキスをする。
「A…おれ、Aが好き」
これは紫躍からの初めての言葉だった。
想像していなかった言葉。
「え？」
「ずっと好き。これからも」
「…」
「Aは？俺のこと好きだろう」
私を撫でる紫躍の手が心なしかいつもより力強い。
「……う、ん」
「ん？言ってみ？紫躍が好きだって」
当たり前のように求めてくる紫躍。
「しょう…が…すき？」
「なんで疑問形？」
そう言って紫躍は笑った。
私も笑った。
その日から私と紫躍は恋人になった。
少し考えてみれば、どうして今まで恋人にならなかったのかと疑問に思うくらいに自然な流れだった。
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ゆっぴー - 廉くん頑張れ。 (2021年11月21日 13時) (
レス) @page42 id: 233a7fa478 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっぴー - 廉くんと主人公がハッピーエンドになる事を願います｡紫耀は主人公が自分から離れるのが怖いだけでしょ。 (2021年11月21日 13時) (レス) @page42 id: 233a7fa478 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼子 | 作成日時：2020年4月24日 21時
