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「でも、まさか学年1位と2位が同じクラスだなんてね」
由香里が教室の前の方で静かに読書をしている彼を見る。
あ、あれが阿部亮平ね。
私のライバル。
ちゃんと見たのは初めて。
次のテストはぜったいに絶対に1位になりたい。
阿部亮平の後ろ姿を見ながらメラメラと闘争心を燃やした。
放課後、帰ろうと準備をしていると
自分の机の前に影ができる。
顔をあげると
昼食の時の「阿部亮平くん」
「Aさんだよね？俺、阿部。まさか同じクラスになるなんて光栄」
100点満点のスマイルで私に話かける。
「よろしく」
「Aさんって〇〇大学志望ってほんとう？」
物腰の柔らかい喋りかた。
上品。
「うん。」
「実は僕もなんだ」
「そうなの？どこの学部？」
「理工学部の予定」
「私も！」
それから阿部君と意気投合して一緒に教室を出る。
一瞬“深澤君”と目があう。
すぐに逸らす。
「どこの塾行ってる？」
「駅前のとこ」
「一緒、頑張ろうね」
阿部君のスマイルに私はじっと彼を見つめた。
「え？なに？何かついてる？」
「うんん。真面目だなって」
「それはAさんだって」
「あ、そうだね」
2人で笑い合った。
「あ、めめ！」
隣のクラスから出てきた長身でセンター分けの男の子が振り返る。
はっと息を飲むくらいの綺麗な顔立ち。
「あー阿部ちゃーん」
“めめ”という人はポーカーフェイスかと見せかけて子どものような人懐っこい笑顔で阿部さんの元に近づいて来た。
1学年10クラスあるマンモス校だから気がつかなった。
こんなイケメンがいたなんて。
「もう、阿部ちゃんのおかげで留年逃れられたのに…クラス違って心配」
“めめ”はべったりと阿部さんの肩に項垂れる。
「また一緒に勉強しよ？」
「え？本当？」
「うん。人に教えるのも勉強」
「阿部ちゃん神様――」
阿部さんに抱き着く目黒君と目が合う。
「あ、阿部さんと同じクラスのAです」
私がそう言うと
「え、学年2位のAさん？俺は目黒蓮」
2位は引っかかるけど…間違いではない。
「うん。よろしくね」
「この2人がいたら最高じゃん」
少しアホそうに目黒くんはそう言った。
この目黒君との出会いが、勉強勉強一色だった私の高校生活に色をつけてくれた。
桜が散ってポカポカと温かい空気
私は彼と出会った。
そして、私と彼と彼の物語が始まった。
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うみ(プロフ) - 他の小説も読みました！これも面白かったです！もう更新はされないのでしょうか(´°‐°｀)？ (2022年11月19日 23時) (
レス) id: 2d80e6ebcd (このIDを非表示/違反報告)
nono(プロフ) - くぅさん» いつも本当にコメントありがとうございます！嬉しいです。色々忙しくて更新遅めかもしれませんが完結まで見守ってください！ (2022年5月15日 19時) (レス) id: ec84c7801d (このIDを非表示/違反報告)
くぅ(プロフ) - nonoさん、新作嬉しいです！始まったばかりですが既にドキドキしております。今回も楽しみに読ませていただきます！無理しないペースで更新お待ちしています。応援してます！ (2022年5月11日 23時) (レス) id: f5d9d1d575 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nono
| 作成日時：2022年5月11日 19時
