1 ページ1
雪が降りしきる寒い寒い夜。
東京の明るいネオンで見えない星を探した。
「あ、おれ明日早いから…打つ合わせがあるから」
彼のその一言で「帰れ」と言われていることを理解する。
「う…うん。仕事頑張ってね」
1時間前に彼に剝がされた服たちをかき集めて、背中をむけながら下着を身に着ける。
チラりと彼の方を振り向いたけれど携帯をいじっている姿が目に映る。
どうして今日、
なにを期待して
ここに来たのだろう。
そのままバッグを手にもって
「じゃあ、また」
ともう一度振り返ったけれど
「おう」
翔太はこちらを少しも見ていなかった。
マンションを出て駅までの道をとぼとぼと歩く。
今日はとにかく寒かった。
昼ごろからパラパラと降雪が降り始めた。
雪を見たら特別なことが起きそうな気がした。
会社から出たのが18時。携帯を見ると翔太から「今日来れる？」メッセージが届いていた。
もう嬉しくて嬉しくてすぐに「すぐに行く」と返信した。
こんな雪の降る素敵な夜に何かが起きる気がして胸が高まった。
今夜は絶対に素敵な夜になるにちがいないと確信して翔太のマンションに向かった。
でも、結局これ。
この状況。
いつもこうなのに
何かを期待しては
がっかりした気持ちでこの道を帰るのに
なのに
やめられない。
苦しい。
やめたい。
冷えた夜に彼から少しも感情はなかったのに
そのかすかな温もりを思い出しては
また彼のことが恋しくなる。
そのまま帰るのはどうしても嫌でコンビニに寄ってビールを購入した。
コンビニから出て我慢できずにビールの缶をあけた。
「寒…」
でも今のこの心に温かい飲み物は合わない気がした。
今日はとことん寒く冷たくいこう。
次にラインきてもすぐに返信しない。
既読つけて3日スルーする。
そう、
ぜったにそうする。
あれ、これ1か月前もここでビール飲みながら誓った気がする。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1470人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
nono(プロフ) - 晴子さん：表現の仕方について言われるととってもとっても嬉しいです！ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2022年1月27日 7時) (
レス) id: ec84c7801d (このIDを非表示/違反報告)
晴子(プロフ) - 表現の仕方がとても好きです。青なのか…黒なのか…どっちも違う意味で癖になるキャラクターなので、最後にどうなるのかが楽しみです！ (2022年1月27日 0時) (レス) @page4 id: b5ad09120c (このIDを非表示/違反報告)
nono(プロフ) - なつみさん：ご指摘ありがとうございます。誤字脱字…日常的に多いので気を付けます。これからもよろしくお願いします。 (2022年1月26日 23時) (レス) id: ec84c7801d (このIDを非表示/違反報告)
nono(プロフ) - soraさん：ありがとうございます。順次更新していきますのでこれからもよろしくお願いします。 (2022年1月26日 23時) (レス) id: ec84c7801d (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - とても面白くて続き早く読みたいですが、誤字脱字が気になります。 (2022年1月26日 21時) (レス) @page45 id: eab4cc85b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：nono
| 作成日時：2022年1月23日 21時
