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白虎視点
ガシャンッとビャッコ大霊槍を投げそうになりながらも大の字で倒れる....ダメだ....いつもなら勝てそうな阿修羅にも負けた...朱雀にも...玄武にも...不動明王はいつも勝てねぇけど...
「白虎大丈夫か...?お主らしくないぞ」
「そうだ...熱でもあるか...?」
「ねぇよ...それよりもう1回...」
「やめておけ...今のお前は誰にも勝てん」
「不動...白虎...1度お前は頭を冷やせ...A様を連れて帰ってきたと思えば...すぐに闘技場にひきこもりおって...」
「...そうだぞ...我と阿修羅を引きずって突っ走った時は驚いた...落雷に負けただけであろう..?なに...相性が悪かっただけでは...」
「ちげぇ...俺は...Aちゃんを怖がらせた諦めさせた...なによりも...俺のすぐそばに居たのに...簡単に....クソっ.,,」
「...だからといって焦るものでもないだろう...お前は強い...ただ未熟なだけだ」
正論だ...焦っても強くはなれない...そう知っているはずなのに...今の俺は突っ走ることしか出来ない...がむしゃらに動くことしか...だって...守れなかったんだから...
「...Aちゃん...どうした?こんな時間まで...」
『...ここに白虎達がおると...聞いた』
「Aちゃ..ん」
『白虎...すまなかった...我が弱かったから...』
違う...
『我のせいで...そんなことになるぐらいならば守らなくとも...』
違う...!
『だから....白虎...言いたいことなんでも言うて良い...気が済むくらい怒鳴っても良いから...白虎が落ち着くならば...」
「違う!!!!」
俺でも...驚くぐらい声が出た...悪い方に持ってくのもやめろ...こうやってヒートアップして...怒鳴るしかできないじゃないか...
「俺は!お前を守りたかった!!でも実際はどうだ!少し離れただけで簡単に触れさせた!苦しませた!俺は不動みてぇに純粋に強いわけじゃない!玄武みたいなパワーもない!朱雀みたいなトリッキーなことも出来ない!阿修羅みたいに...」
「白虎落ち着け!それ以上ゆったとしても...!」
「わかってる!!でも...俺じゃなくて他のやつだったら....守れたんじゃないかって...」
「Aちゃん...大丈夫...か..?」
『や...はり...われの...せいで...』
か細くなった声でようやくハッと気づき落ち着いた...目の前には...大粒の涙が零れないように...一生懸命に耐えようとしていた...だが...結局ボロボロとこぼれた...どうして...すれ違うんだよ...俺たちは....
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作者名：のうな | 作成日時：2023年8月31日 17時
