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ナツメ視点
あの子に朱夏と言われたとたん...ドクンッと鼓動が強くなった...何故だかよく分からないけれど....Aは...知らないはずの名前を口に出した...トウマとアキノリもそう思ってるのだろう...
『...不動...我なにか...言うてしまったか...?』
「いや...幻王様...少し頼みがある」
『わ...我にか!?我にできることならば任せるが良い!』
「変わってくれ...幻王様の中にいるもう1人と...」
「ちょっと待って不動明王...もしかしてナツメと朱夏みたいな感じってこと...?」
「いや...少し違う...ナツメと朱夏様は前世と今世だが...Aちゃんの場合は...」
「半強制的に植え付けられた魂と体ってところね」
可愛らしい声から一変大人らしく堂々とした姿に...エンマ様とカイラ様が警戒する...それにAははぁ...とため息を漏らした....
「お望み通りでてきたわよ...まったく...結構体力使うのよ...」
「すまない...夜桜」
「...誰...それ...もしかして私の名前...?残念だけど...私は今の名前しか覚えていない....昔の名前はぽっかり忘れてるわけ...」
「...夜桜...?」
ズキンッと頭が痛くなった瞬間見えた...朱夏と夜桜の会話が...
「夜桜は...相変わらず不運じゃ」
「はぁ!?そういう体質よ...あと...呪って欲しいやつ居たら言いなさい...玄冬達に内緒で呪ってあげる...まぁ...厄でね」
つまり朱夏と友達だった1人...でも...なんでこの子に...そう聞こうと思ったらエンマ様が剣を喉元に押し当てている...
「今すぐそのからだ体出ろ...厄災...!」
「エンマ!」
「数十年前お前の魂が体を残し消えたと...まさか...この子についていたとは...最近の妖怪達の活性化の裏には怪魔がいると怪しんでいたが...貴様だったか...!」
「知らないわよ...私は水害に魂だけ抜き取られてこの子にくっつけられたの...私が体に戻るしか方法は無いわよ...それに...私別に平和主義だし....やってるとしたら火災と落雷よ」
「...幻王様をどうするつもりだ...?」
「...この子...?純粋すぎ...信用しすぎ...だから...守るの....でも...厄介なのはあいつらは私を諦めないってとこかしら」
「そうか...夜桜...何故そのようになったのかは問わんぞ」
「そう...ありがとう不動明王...」
ふっと微笑んだ...そして眠ってしまい...ぼふりと朱雀の腕の中に吸い込まれるかのように倒れてった...完全に疲れ果てたのかすぴーっと寝息が聞こえる
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作者名：のうな | 作成日時：2023年8月31日 17時
