変わったばかりの幻王様 (ページ27)

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朱雀視点

かくん...とまた力が抜けたのを支える...あのことが本当なら...まだ中にいるのだろうが...うっすらと目を開いたAちゃんの方が大事だ...

「大丈夫か...?」

『...おねー...ちゃん...?』

「お松ならいますよ...?」

『うぅん...鬼のおねーちゃん...一緒に居たと思ったんだが...』

鬼のお姉ちゃん...?そういえば...昔居たような....いなかったような...鬼族の....とりあえず...今この場にいる者たちは脱力気味だ...無事でよかった...からな...

『...あ....不動!トウマの所へゆくのなら我も連れてってくれ!』

「...構わないが...大丈夫なのか...?」

『...?みななぜ心配をしておるのだ...?』

「幻王様の中には怪魔を引き寄せるもう1人がいる...1人で出歩くのなら危険が...」

『...じゃあ不動が護衛をしてくれ!母さんから不動は強くて頼りになると聞いたのだ!...だめか...?』

「...まったく...仕方がない...我の傍から離れるな」

『あぁ!で...では...て....手を繋いでくれるか...!』

お松が撃ち落とされたぞ....目の前で見た不動明王もｳｯ...という声をもらしたし....まぁ小さいから上目遣いで一生懸命小さな手を差し出してるわけだ...可愛いどころか天使だ...

「手を離すな」

『はーい!』

「はーい」

「なぜ朱雀も混じる?」

「我もアキノリの元へ行くのだ...どうせ行き先は同じだろう...?それに我は荷物持ちでもあるぞ?」

『良いのか!』

「あぁ」

それに...まだ中に居るものにも気がかりだ...急いで引っ込んだのにも理由があるのだろうしな....霧立神社へ向かえば...む...?やはりエンマとカイラにぬらりひょん...そしてアキノリ達がおるな...

『とーま!』

「わわ!?...おはようA」

「ほんとトウマに懐いてるな...」

「すごく可愛いよねー....」

「この子がなんで幻王様にされるのよ...」

『鬼のおねーちゃんとおにーちゃん達もおはよう!』

急にピシリと固まる空気...Aちゃんは...何を感じておるのだ...?不動明王は落ち着いてる...そしてAちゃんをそっと撫でた...

「幻王様...その者達の名はわかるか...?」

『えっとね...はくしゅーに...げんとう...で...しゅかだって...!トウマとナツメとアキノリは!凄い強い守護霊様が居るんだね!』

「...トウマ...おそらく幻王様は中のいる別人によって見えてる可能性がある...」

そういえば...鬼のおねーちゃんと言ってたな...中の者を...