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白虎視点
いてぇって....冗談に決まってるだろ...というかまじで....高ぇ所に速攻逃げてったな...俺ら行けるけどよ...お松も行けるだろうに...モタモタとしてるだけだしな...
「A様!」
『...あ』
「A様ぁぁぁ!」
「玄武のおっちゃん!まさか...」
「上の窓が空いていたようだな...」
「小さい隙間通り抜けたのかよ...!」
走って逃げて言ってるんだけど...!?とりあえず追いかけるために外に出ねぇと...と思ってドアを開けると...くすくす...と笑い声が聞こえる...全部使用人の声か...
「ただの忌み子」
「呪われた醜い子」
「幻王様の子供なら呪いなんて掛からないわ」
「最近怪魔が多くなってるんですって」
「じゃあ忌み子は怪魔の子だったり...?」
「有り得る〜」
なんだよ...これ...俺なら匂いでまだ追える...急いで拾いに行かなきゃな...たぶん他の奴らも思い思いにおうだろうし...なんだったらお松と玄武は使用人叩き潰しに行ってるし....いや不動明王もかよ...
「玄武先輩!私も...!」
「頼む」
「A様は正真正銘幻王様の子ですが?何を....」
「ガチ勢怖ぇ...」
「白虎!我が空から」
「俺が地上な」
とりあえず急遽幻獣の姿で森の方に...良かったまだ臭う...追いかけていくと...泉に出てきた...まさか水の中に行ったとかじゃねぇよな...いや俺行けるけどよ...
「...幻王様!悪かったから!出てきてくれねぇか...!」
『...わぁぁぁ!』
「...ｯ!?」
「白虎!怪魔だ!」
「はぁ!?」
朱雀に案内してもらった場所にしゃがんでいた...いやいや戦えるだろ...そう思っててもなんとも出来ねぇから助けに入るけどよ...
「白虎!おかしい...こんなに怪魔集まるか!?」
「普段は有り得ねぇ...!」
『...ど....どんどろ!』
「どんどろ!」
影からズドンと腕が伸びてきた...ようやく倒せれたが...明らかに数がおかしかった...すると...ふっと目を細めてまるで...失敗したと言いたげな表情だ...
「大丈夫か...?」
「あぁ....怪我はねぇか...?」
『...大丈夫だ...我に怪我はない...その....何故我はここにおるのだ...?』
「え...?お主がここに向かって来たのだぞ...?」
『え...?びっくりして高いところまで登ったのは覚えておるのだが...』
朱雀と目があう....俺達も分からず首を傾げるが...もしあの目が...別人の目だとしたら...いま俺の前にいるこの子は...一体誰だ...?
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作者名：のうな | 作成日時：2023年8月31日 17時
