鳥と蛇 (ページ2)

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A視点

また同じ夢をみた....声は聞こえなかった...いつもの5人に囲まれて...宴会?をしていた...こんな夢を見る時は決まって母さんにぶたれた時だけだ...

『....大丈夫....痛くないよ』

ハクが出てきて決まって頬を舐める...くすぐったくて...でも暖かかった...夏休みに入ったからか夜も太陽が沈んでても少し蒸し暑い...まず夜中にこんな場所で寝ている子供は居ないわけだけど...ぞわりっとまた寒気がする....目線の先に何かいる....シャーっと威嚇が聞こえる...静かに耳を塞いでまたベンチに横になった...

『(どうせ...心配してくれる人はいない....ならいっそ...)お前に食われて溶かされたい』

ハクのしっぽがべしりと叩く...冗談はよせっと言っているようだ...正直お腹が減った喉が渇いた...母さんにお金なんか貰えるはずがない...あの人に愛されてなど居ないのだから

「ちょ....大丈夫か!?」

「こんなところで寝たら危ないよ?」

「ちょっと!起きて!」

「....玄蛇くん...?」

誰かが僕の苗字を読んだ...嫌な苗字...でも...顔を挙げずにはいられなかった...逆に聞きたかったなんでこんな時間にいるのか...でもカスカスで声にならなかった

「やっぱり...玄蛇くん...また傷が増えてない?」

『....ｯ』

「ちょっと待ってくれ!トウマ!知り合いなのか!?」

「同じクラスの玄蛇Aくん...とりあえず一旦事務所まで戻ろう」

「そうね...色々気になるけど...傷の手当がさきね」

「うん...ナツメさん達に賛成」

月狼くんに連れられてきたのは神社...?あれ...なんか感じる...知ってるような....知らないような....とても.....懐かしい...妖気?を感じる

「とりあえず傷の手当ね....」

「Aで...良いんだよな?大丈夫か?さっきから話してないが....」

「うーん...アキノリ...お茶ある?」

「あるにはあるが」

「ちょうだい....はい...」

そう言って手元に渡されたお茶...ハクが巻きついて蓋を飛ばした...のめって事だろうけど...まぁ...飲み干すかのように飲み込んだ...

『....ぷはっ....いき....かえる』

「良かった....Aくんお腹減ってない?」

『だ....いじょ....ぶ』

「ダメだよ!はいこれ!おにぎり食べて!」

出されたおにぎりはすごくいい匂いがした...我慢できない...気づいた時には手元には何も無かった...