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第二章【現実】 ページ10

Aside

『…ぁあ。』

あの後、るぅとくんと別れて家に帰った。
そのまますぐに部屋に駆け込んで電気も付けずに枕に顔を埋めていたらいつの間にか寝てしまったようだ。

時刻は既に21時をまわっていた。

つらいだとか死にたいだとか、そんな事を吐く気力もなくて、ただ口を開けば自然と出てくる溜息を零すだけだった。

ずっしりと重りを背負っているかのような身体のだるさを感じながら立ち上がると頭が一回ズキッと痛む。

足取りも心做しかフラつく気がして、私は立ち上がってすぐではあるがまた布団の上に腰を掛けてしまった。

ふと、放り投げられている自分のカバンの口からはみ出たスマートフォンに視線を移す。

何やら誰かからメッセージが届いているようで、それを確認する為に私は手を伸ばした。

『…るぅとくんだ』

メッセージを受信した時刻を確認すると19時頃。
別れてすぐに送信されたものだった。

戸惑いもなくタップをして開く。


____“ 僕は本気だから

それだけ書かれた画面。

分かってしまった。その言葉の意味が。
るぅとくんの気持ちを、私は今日知ってしまった。

でも、今の私にはそれにこたえる資格なんてなくて。
こんな状態でもまだ莉犬くんのことを考えてしまっているのだ。

___『“今日はごめんね、ありがとね!”』

『“ちょっと早いけど、寝ようかな!もしかしたら寝たら忘れるかもしれないし!(笑)”』____

るぅとくんにこれ以上心配かけたくなくて、バレバレではあるとは思うが、私は陽気に振舞った。






…るぅとくんの気持ちは素直に嬉しかった。
でも私はまだ、それにこたえられない。

__こたえては、いけないんだ。

『(このままずっと、覚めなきゃいいのに。明日なんて、来なければいいのに。)』

叶うはずのないことをまた、願ってしまう。

『(ああ、貴方は今何を考えているの?)』

そっと目を瞑って、
長かった今日を終えた。


✄---キ リ ト リ ---✄

今回のお話で第二章に突入しました、サブタイトルは【現実】です。

沢山のコメント、評価、お気に入り登録有難うございます。
今後の更新意欲に繋がるのでお手隙の際にぜひお願いいたします。

お気に入り作者登録、とっても嬉しいです。本当にありがとうございます。

引き続き「トライアル」をよろしくお願いいたします。

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設定タグ:るぅと , 莉犬 , すとぷり   
作品ジャンル:恋愛
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しのぶ - 初コメです!凄く面白そうで、このあとの展開が楽しみです!頑張ってください! (2023年1月8日 22時) (レス) @page16 id: 0ed4fa3946 (このIDを非表示/違反報告)
ジャイ子の友達 - 初こめです面白いですね!更新がんばってください!! (2022年6月18日 11時) (レス) @page16 id: aa2b55b842 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち - この話好きです (2022年5月27日 22時) (レス) @page16 id: 2e0541f151 (このIDを非表示/違反報告)
莉ru(プロフ) - 銀魂見ます!絶対面白い! (2021年6月21日 21時) (レス) id: edb58a9a7f (このIDを非表示/違反報告)
みるり(プロフ) - キュンキュンしますねぇ。いつか共同制作してみたいです! (2021年4月28日 6時) (レス) id: 5745da0037 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ne6 | 作成日時:2020年3月19日 1時

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