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るぅとside

Aを家に送り届けて、自分も家に帰るべく進んだ帰り道。
別れ際に見た彼女のぐしゃぐしゃになった顔を頭に浮かべながら、未だにおさまらない莉犬への怒りを感じていた。

何故こんなにも自分はイライラしているのか。
無論、大切なAを傷つけたから。
その事に対してこういった感情を持ってしまうのは友だちとして当たり前で、ましてやAと同じくらいに大切だった莉犬が傷付けた張本人であるという事実が、莉犬に裏切られたような気分になったのだ。

…でもそれだけが、怒っている理由ではない。

本当の理由、
それは、僕はAのことを友だち以上に大切な人だと思っていたからだ。
…つまり、好きだった。恋愛的に、一人の女性として。

男らしくない女々しい僕に対しても笑顔で話を聞いてくれる。
「かわいい」と言われ続けた僕に唯一「るぅとくんは誰よりもかっこいいよ」と言ってくれた一年生のあの日。

その日から僕はずっと彼女の一番になりたかった。

でも、ある日莉犬が僕に相談事があると言われて…

「なんで僕はあの時、僕も彼女が好きだと…ッ!!」
歩みを止めずにアスファルトに言葉をぶつけた。

莉犬とA、僕とA
話しをする時も君は同じ態度だったじゃないか。

「(いつ…莉犬を好きになってたんだよ…)」

僕は莉犬の告白を応援すると彼に告げた。
でもそれは、僕達の今の仲良しの関係を壊すのが怖かったからだ…。
心も女々しいと馬鹿にされるだろうか、心配性で、弱気な男を君は好きでいてくれるのだろうか。

こんな(じぶん)より、きっと、莉犬の方が君を幸せに____

___そう思って僕はおまえの背中を押したのに。
そう思って、僕は恋人同士の二人を応援していたのに。

なあ、莉犬…何やってんだよばか。

帰り道をせっせと進んだ
そんな時だった。

『るぅと…くん…!』
「A…!?なんで、家まで送ったでしょ…!早く休ん___」

弱々しながらも必死に喉から絞り出した声で僕を引き留めたのは、走ってきたのか、少しだけ呼吸を乱したAだった。

『あの、!謝りたくて…今日の、こと…』

『ごめんね、いきなり泣いたりして…、手、握っててくれてありがとう』

自分が大変な状況だっていうのに、この子は僕に謝りに…?
律儀にも、程があるだろ。

なんでこんな子が辛い思いを。可哀想とか、慰めたいとかなんだかよくわからなくなって。

__そして君を唐突に抱きしめてやりたくなって。

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設定タグ:るぅと , 莉犬 , すとぷり   
作品ジャンル:恋愛
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しのぶ - 初コメです!凄く面白そうで、このあとの展開が楽しみです!頑張ってください! (2023年1月8日 22時) (レス) @page16 id: 0ed4fa3946 (このIDを非表示/違反報告)
ジャイ子の友達 - 初こめです面白いですね!更新がんばってください!! (2022年6月18日 11時) (レス) @page16 id: aa2b55b842 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち - この話好きです (2022年5月27日 22時) (レス) @page16 id: 2e0541f151 (このIDを非表示/違反報告)
莉ru(プロフ) - 銀魂見ます!絶対面白い! (2021年6月21日 21時) (レス) id: edb58a9a7f (このIDを非表示/違反報告)
みるり(プロフ) - キュンキュンしますねぇ。いつか共同制作してみたいです! (2021年4月28日 6時) (レス) id: 5745da0037 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ne6 | 作成日時:2020年3月19日 1時

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