第一章【関係】 ページ3
『ねえ莉犬くん、今日先生にプリント提出しなきゃいけなくて。先に帰っててもらえないかな…？』
昼休み。
お弁当を食べる莉犬くんにそう言うと、彼の箸が止まった。
｢寂しいこと言わないでよ！待ってるから、一緒に帰ろ？｣
『いいの？』
｢逆に帰るわけないでしょ〜！おれが待ちたくて待ってるの！｣
そんな返事に頬が緩んで、今日も彼への｢好き｣が募っていく。
｢ちょっと〜！僕抜きで話進めないで！｣
近くにあった椅子を持ちながら話しかけてきたのは、隣のクラスのるぅとくんだった。
｢あ！るぅとくん、俺の隣スペースあるから、ここに椅子置きなよ｣
｢え〜僕Aの隣がいいのに〜！
まあいっか、莉犬の隣でガマンしまーす｣
るぅとくんと莉犬くんと仲良くなったのは、一年生の時にクラスが同じで隣の席になったことがきっかけだった。
二年生になってるぅとくんだけクラスが離れてしまったときは“何故か”るぅとくんに散々理不尽に怒られたけれど、今でもこうしてわざわざ教室を移動してお弁当を一緒に食べてくれる。
『今日、いつもより遅かったね！生徒会とか…？』
｢ううん、ノートまとめてただけだよ。生徒会の集まりは今日の放課後！
…あ、もしかしてもうちょっと莉犬と二人きりがよかった？｣
『そ、そんなわけないでしょ！一年の頃からずっと三人で食べてるし…って何回も言ってるじゃない！』
私と莉犬くんが付き合っていることももちろん彼は知っている。
二年の初め、莉犬くんからの突然の告白で付き合うことになった私たち。
たまにこうやってからかってくるから少し照れくさいのだ。
｢ふふ、Aはすぐに顔真っ赤にするよね。莉犬も怒ったらすぐタコみたいに…｣
｢ちょ！！るぅとくん!?それは今関係ないでしょ！！｣
『あはは、莉犬くん顔真っ赤〜！』
私たちは大きなこの学校の大勢の学生の中のたったの三人だけど、一緒に集まるとこんなに楽しい時間を作り出せる。
…私はこのメンバーが大好きだ。
この好きの気持ちには、莉犬くんもるぅとくんも、彼氏とか友だちとか関係なくてただ純粋に一緒にいたいと思える、私にとってかけがえのない存在なのだ。
(こんな時間がずっと続きますように)
ベタなお願い事を、大して信じてもいない神様という存在に願ってみる。
お昼休み終了のチャイムがなる頃には、話に夢中でまだ半分以上残っているお弁当を三人同時に片付けていたのだ。
▽
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しのぶ - 初コメです！凄く面白そうで、このあとの展開が楽しみです！頑張ってください！ (2023年1月8日 22時) (
レス) @page16 id: 0ed4fa3946 (このIDを非表示/違反報告)
ジャイ子の友達 - 初こめです面白いですね！更新がんばってください！！ (2022年6月18日 11時) (レス) @page16 id: aa2b55b842 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーち - この話好きです (2022年5月27日 22時) (レス) @page16 id: 2e0541f151 (このIDを非表示/違反報告)
莉ru(プロフ) - 銀魂見ます！絶対面白い！ (2021年6月21日 21時) (レス) id: edb58a9a7f (このIDを非表示/違反報告)
みるり(プロフ) - キュンキュンしますねぇ。いつか共同制作してみたいです！ (2021年4月28日 6時) (レス) id: 5745da0037 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ne6
| 作成日時：2020年3月19日 1時
