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ナミside
上目遣いで見てきたAにいろいろと心臓をやられた私は思わず、胸を抑えた。
ふと視界をAからそらすと皆も同じように胸をおさえていた。
(まぁ、若干１名は気にせず飯くってるけど……)
そんな、シュールな状況にも関わらず、平然と話続けるA。
多分、Aは、こうなることを知っていたんだろう……。
そんな腹黒い天使は話をやめて、机に肘をつきながらニヤニヤし、
「可愛いでしょ？……わたし。」
とまるで、語尾にハートが付きそうな甘ったるい声で言う。
くっっっっそ、生意気！！
でも、そこが可愛い！！
そう思ってしまう私はカイをバカにはできないな、と我ながら呆れる。
そこで、ふと思う。
Aの実の姉であるカイが死んでしまったのはほんの数時間前だ。
今は何もなかったように笑う姿を見て忘れてしまっていたけど、Aはつらくないのだろうか。
気になるが、直接的に
「Aー！あんた、ねぇちゃん死んだのにつらくないの？」
と、聞くのもどうかと思い、Aの表情から察することにした。
だが、ここで空気を読まない男が一人。
ルフィ「A、オメェ、大丈夫なのか？」
そう、そいつは麦わら帽子の我らが船長。
こんっのクソゴム船長は肉を頬張りながらまっすぐAを見つめる。
Aはルフィを見つめ返す。
ルフィを見る、満月のような琥珀の瞳が一瞬揺れる。
隣で、サンジくんの
「ﾁｯ……クソゴム…！！」
と小さい声でつぶやく声が聞こえる。
ウソップとゾロは静かにそれを見つめる。
ルフィは思ったことをなんでも言うやつだ。
だからオブラートに包むということができない。
それが、そいついいとこなのだろうけど……。
A「だ、大丈夫って何が？」
そう聞き返すAの声は少し震えていた。
ルフィ「何がって〜…ﾓｸﾞおめぇのねぇちゃんのことだよ！
………ﾓｸﾞﾓｸﾞ……ｺﾞｸﾝ……泣きてぇなら泣け！」
珍しく良いことを言うルフィだが、肉を食いながら言うのはどうかと思うわ……
だが、今のAには響いたみたいでポロポロと大粒の涙を流し始めた。
そんなAにルフィは「にっしっし！」と歯をみせていい顔で笑った。
それに釣られるように笑うAは今日で一番かわいかった。
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作者名：ヴォン | 作成日時：2022年8月15日 9時
