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Aの悲しそうに笑い、目を逸らす姿に良くないことを聞いてしまったと思ったナミは
「ごめんなさい。」
と小さく謝る。
謝るナミにAは
「いいの。こっちこそごめんね。まきこんじゃって……。」
と言うと、困ったように笑う。
そして、麦わらの一味を一人ひとり順に見ると
A「あ、でもね、君たちに会えて良かった。そう、心から思うの!だから巻き込まれてくれてありがとう。」
とお礼をいう。
そんなAに目を見開いたナミはAのところまではしり思いっきりギュッと抱きしめる。
ナミはAのことが大好きになっていた。
姉を失い、祖父を失って辛いはずなのに泣くどころか笑ってナミたちを気遣う。
その優しさとAの心の強さに惚れてしまったのだ。
Aは急に抱きしめられたことにより少し態勢を崩しながらもナミを抱きしめかえし、嬉しそうに笑う。
そんな笑顔を見て、ナミはカイの代わりにこの子を一生守って行こうと心に決めるのだった。
数分間抱きしめられていたAだが、何かを思い出したようにナミから離れると仕切り直すかのようにゾロを指差し、
「そこの、コケ頭!」
ともう一度叫ぶ。
そんなAにゾロは呆れながら「なんだ?赤カビ女……」と返事をすると
彼女の言葉に耳を傾かせる。
A「コケ頭くん。私のことあまいって言ったでしょ?!
………私がこいつを殺さなかったのは君たちのためなんだよ!」
そう言って腕を組むと、いかにも怒ってます、というように頬を膨らます。
ウソップ「俺等のため??」
そんなAをジト目で見るゾロの変わりにウソップは聞き返す。
A「そうなんですよ、鼻の少年。
………ほんっっっとに、私に感謝してほしいわ。」
と自慢気に言ったAは「ふぅ。」とため息をつくとまっすぐルフィをみつめる。
A「ねぇ、ルフィ?
………取引きしない?」
そう首を傾げるAにルフィも首を傾げる。
ルフィ「とりひきぃ??」
A「そう!取引き!
私がこの男の記憶を操作して、君たちが海軍に狙われないようにしてあげる。
だからその変わり………
私を船に乗せてくれない??」
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作者名:ヴォン | 作成日時:2022年8月15日 9時