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Aは天才だった。
だから、祖父が死んだ理由も男に言われる前にわかったのだ。
4年前、それはAが海軍で認められ、交渉が成立した年。
きっと海軍はAという無償で働く、優秀な参謀を手に入れたことで必要のなくなった、祖父を正義の名のもとに殺したのだろう。
Aはコツコツとヒール音を響かせ、男の元へ歩く。
その途中にゾロが
「おめぇ、あめぇな。………あいつ、死んでねぇだろ？」
と言い、男を指差すがAは無視し、静かに歩く。
コツコツコツ
コツコツコツ
男の元へ、たどり着いたAは踵を返しゾロを見て悪い顔をする。
それに、嫌な予感がしたゾロは小さく「ゲッ……。」とこぼす。
そんなゾロにAはビシッと指さすと
A「そこの、カビ頭！」
と叫ぶ。
言われたゾロは眉と目を釣り上げ
「あ゛ぁ゛ん゛？？てめぇ、たたっ斬るぞ！！この赤カビ野郎！！！」
と叫び怒りを表し身を乗り出すが、
それにAは
「アッハハハ。赤カビ……赤カビかぁ、……ッッ……アハハハハハ！！」
と、大笑いをするだけで、全くビビっていない。
それを見たゾロは
「舐めてんのかてめぇぇぇ？！」
と、青筋を立てAに斬りかかろうと刀をとりだす。
だが、
「Aちゃんが赤カビなわけねぇーだろぉぉ？！このコケマリモぉぉ！！」
と蹴りかかった愛の騎士、サンジによって阻止される。
蹴られたことによりゾロが一層怒り、いつもの如くサンジと喧嘩をし始める。
そんな、二人を軽く止めながらナミはAに今まで疑問に思ってたことを聞く。
ナミ「ねぇ、A？
……これ、答えたくなかったら答えなくてもいいんだけど、あの男、Aのおじいさんが死んだのって銃に撃たれたからって言ってたけど……
それをAは知ってたの？？
あのとき……だろうねって言ってたから少し気になって……」
Aは笑いすぎてでてきた涙を掬いながら「違う、違う」と言うように手を振る。
A「いや、おじいちゃんが死んだ理由は知らなかったよ？
そもそも、私おじいちゃんが死んだことだって知らなかったし………。」
そう言うと、Aはナミに向けて悲しそうに笑う。
A「でもね、分かっちゃったんだ、私。
………お姉ちゃんから4年前におじいちゃんが死んだことを教えてもらったときに……」
Aはナミから目を逸らすとその先はもう何も言わなかった。
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作者名：ヴォン | 作成日時：2022年8月15日 9時
